Geko201 with Palm
 Geko201 と Palm

    メモリは有限   
Geko201 のトラックログ保存数がいくら 10,000 ポイントだとしても,そのメモリ容量には限りがあり,長丁場にもなると,やはり心ともなくなってきます.
外部データロガーとしては,データロガー専用機であったり,何故かゲーム機である WonderSwan が使えたり,Pocket PC などが使えますが,この中のどれもが作業や値段的に面倒 (データロガー専用機は高いしブツがない,WonderSwan はインターフェイスを自作もしくは入手しなければならない,Pocket PC は値段が高い) です.

そこで,中古市場では比較的安価に (下手をすれば新古品が激安) 手に入り,OS が軽いことで有名な Palm デバイスの旧モデルを使ってみます.
ここでは IBM の WorkPad 30J を使用しています.
WorkPad 30J は,データ通信がシリアルでそのまま行えるので,Palm Pilot のデータ通信ケーブルを入手できれば,あとは Geko201 のデータ通信ケーブルをクロス接続アダプタを仲介してそのまま接続することが出来ます.
また,Palm の大きな画面でトラックログをグラフィックで表示することも可能です.

ちなみに私は,Palm 側コネクタはコネクタだけ入手してかなり短い物を自作し,「いいよねっと GPS ショップ」で売られている「PCケーブル (RS232C) シェア eD1」にそのまま接続できるようにしています.
これで長いトグロに巻かれなくてもすみます.

その後,CLIE 用 GPS 接続ケーブルを個人輸入しましたので,CLIE での接続方法なども合わせてご紹介します.

    まずは機材とソフトウェアの用意を - WorkPad 30J 編   
使用する機材とソフトウェアは以下のような物になっています.
Palm デバイス
ここでは IBM WorkPad 30J を使用しています.
信号線がシリアルレベルなので,そのまま接続が可能です.

GPilotS
GPS から各種データをダウンロードするためのダウンローダー及び,データの管理アプリです.
English version と French version がありますが,English version を使用します.
バージョンは Ver-4.x を使用してください.
WorkPad 30J で最新版を使用すると GPS から上手くダウンロードできません.

これを Palm にあらかじめインストールしておきます.
インストールは,圧縮ファイルを展開して出てきた prc ファイルを全てインストールします.
MathLib.prc が必要なのでこれもあらかじめ入手してインストールします.

GARMIN GPS 用データ通信ケーブル
安価なケーブルでは,「いいよねっと GPS ショップ」で売られている「PCケーブル (RS232C) シェア eD1」が使用可能です.
ただし,ケーブルを Geko201 に付けようとすると,抜け止めが邪魔をして接続できないので,これをあらかじめ切断しておきます.

Palm 用データ通信ケーブル
オリジナル Palm データ通信ケーブル Palm 用シリアルケーブルが必要ですが,もし Palm 側コネクタのみを入手できるならば,かなり短いシリアルケーブルを作ってしまう方が持ち運びの時に邪魔にならず便利です.

クロス接続変換アダプタ
オリジナルクロス変換ケーブル Geko201 と Palm を接続するときはクロス接続になります.
Palm 用データ通信ケーブルを自作するなら,Geko201 通信用ケーブルとしてクロス結線で作成してしまうのも荷物をかさばらさないための 1つの方法です.

Garmap
Garmap2 GPS からのデータダウンローダー/アップローダー,データフォーマットコンバーターなど,基本的にはこのソフトウェアを経由してダウンロード・コンバートするという手法を取ります.
Geko201 は Garmap2 でないと対応していないので注意!
Garmap Home Page

Palm と Geko201 を通信させる機材はこれだけです.
    まずは機材とソフトウェアの用意を - CLIE PEG-TH55 編   
CLIE PEG-TH55 での機材を紹介します.
Palm デバイス
CLIE PEG-TH55 を使用します.

GPilotS
アプリの内容は同上ですが,バージョンは最新版を使用しなければなりません.
# 2004/05/21 現在 Version 6.3 beta 2

インストールの方法と注意事項も同上です.

スクリーンショット:

  • GPS からトラックログをダウンロード中
  • トラックログのダウンロード完了
  • ダウンロードしたトラックのリスト
  • トラック航跡表示
  • 設定はこんな感じ

    GARMIN GPS 用データ通信ケーブル
    同上.

    CLIE 用 GPS 通信ケーブル
    GPS interface cable PSTGS シリアルケーブルは RS-232C のレベル変換を行わなければならないため,http://pc-mobile.net/ の "GPS interface cable PSTGS" を使用します.
    自作しても良いのですが,CLIE N* 系の高密度コネクタが容易に入手できないので個人輸入した方が簡単です.
    個人輸入の方法については「CLIE 用 GPS 通信ケーブルを個人輸入する」を参照してください.

    ちなみに,CLIE N/S 系では CLIE 側でレベルコンバートしているようですので,CLIE 用 PC シリアルケーブルが手に入ればクロス変換を行うことでそのまま接続が可能です.

    [注意]
    "GPS interface cable PSTGS" は TX/RX/GND しか配線されていないため,GARMIN GPS 専用です.
    PC とは接続できません.

    Garmap
    Garmap2 同上.
    ただし,トラックログをダウンロードする場合は,Perl が使える環境であれば GPil2POT を使用する方が楽です.

    Garmap Home Page

    GPil2POT
    最新版の GPilotS では,GPS からダウンロードしたデータは *DB-GPil.pdb というデータベースに保存されます.
    その中で,トラックログ用のデータベース "TrkDB-GPil.pdb" をダイレクトに POT へ変換する Perl スクリプトです.

    41 Palm

  • CLIE と Geko201 を通信させる機材はこれだけです.
        Geko201 → Palm/CLIE   
    Geko201 から Palm にデータを転送することにします.
    # CLIE もまとめて "Palm" と呼称します.

    まずは Palm と Geko201 をクロス接続で接続します.
    CLIE の場合は PSTGS がクロスになっているのでそのまま使用可能です.
    ソフト・ハードの設定に関しては,GPilotS はそのままで利用可能,Geko201 の方はいいよねっと出荷時に I/O Format = GARMIN になっているので,こちらもそのままで使用可能です.

    Geko201 の電源を入れ,GPilotS を起動し,GPilotS のメニュー → GPS → Download を選択し,ダウンロード画面を出します.
    # Geko201 の画面はどこでもかまいません.

    あとはダウンロードしたデータを格納するカテゴリを選択し,Go ボタンを押します.
    # Compact Tracks にチェックを入れる必要はありません.
    # というか,入れるとトラックログが間引きされてガクガクになる可能性が.

    このカテゴリですが,これは GarmapWin を使用して PC にトラックログを転送するときに同じカテゴリにあるデータは全て結合されてしまうので,結合されては困るトラックログはカテゴリごとに分けなければなりません.
    なお,トラックログをダウンロードした後でも変更可能です.
    また,トラックログを SAVE でセーブしている物も一緒にダウンロードされますが,ダウンロードされたときの名前は SAVE で名前を付けた名前になります.
    データをダウンロードするたびに GPilotS にデータが増えていきます.

    ダウンロードが終わったら,Geko201 側のトラックログは Palm にあるので,Geko201 側のトラックログはクリアしてかまいません.
    これを旅の道中などで繰り返し行うと,Geko201 のメモリを有効活用できます.

    具体的には

    Geko201 でトラックログを取り続ける → ある程度の所で Palm に保存 → Geko201 のトラックログをクリア → 始めに戻る
    となります.



    「Palm にトラックログを転送した時,Palm の容量はどれだけ食われるんですか?」という質問があったので少し実験.
    トラックログを geko201 で 100% にするのが面倒だったので,82% にして Palm に転送後・転送前と後のメモリ残量を比較してみると,147KB と出ました.
    つまり,10,000 ポイントのトラックログを Palm に転送したら,Palm 側では 10,000 ポイント = 180KB (計算値:1ポイント 18bytes) となります.

    CLIE の TrkDB-GPil.pdb を見てみても,82% で 150,428 bytes でした.

        Palm → PC   
    今度は Palm から PC にデータを転送します.
    GPilotS は「偽 GPS モード」という機能を備えており,これを利用してシリアル経由でデータを転送します.
    説明が短いので箇条書きで説明します.

    1. PC の Hotsync マネージャや,その他,今から使用する COM ポートを占有しているソフトウェアを停止します.

    2. Palm と PC をストレートのシリアルケーブルで接続します.

    3. GPilotS を起動し,メニュー → GPS → Host mode して「偽 GPS モード」にします.

    4. Tracks: で PC に転送するカテゴリを選択し,Go ボタンをタップします.

    5. Garmap Win を起動し,メニューの GPS → Option → Preference を選択し,Hardware タブで使用する COM ポートを選択し,Auto Detect ボタンを押す.
      この時,エラーが出れば COM ポート経由で Palm と通信できていないので,Palm 側が Host mode で動いているか,COM ポートを占有しているアプリがないかなどをチェックします.

    6. メニューの GPS → Download → Track を選択し,Palm からデータをダウンロードします.

    7. ダウンロードし終えたら画面に航跡が表示されるので,メニューの File → Save As... でダウンロードしたデータを保存しておきます.

    これで PC にトラックログを持ってくることが出来ました.
    ちなみに Garmap Win で保存した *.gar を読み込むと,Garmap Win に航跡が表示されます.

    もし Windows 環境で Perl が使用可能であれば,GPil2POT という Perl スクリプトを使用する方法もあります.
    GPilotS は Ver-4.5 くらいから各種ログを *DB-GPil.pdb というファイルに保存するので,トラックログの保存ファイルである TrkDB-GPil.pdb を MemoryStick にコピーして PC に落とした後,Perl スクリプトに食わせることでダイレクトに POT ファイルに変換できます.

        CLIE 用 GPS 通信ケーブルを個人輸入する   
    CLIE NR/NX/NZ/T* のシリアルインターフェイスは本体内に RS-232C レベルコンバーターが内蔵されておらず,外付けでレベルコンバーターが必要です.
    しかし,自作しようとしても CLIE 用 18pin コネクタが容易に手に入りません.

    そこで,海外の Web ショップで GPS 専用レベルコンバーター内蔵シリアルケーブルが販売されているので,これを個人輸入することにします.
    個人輸入といっても敷居がものすごく高いわけではなく,Excite の翻訳 Web サイトでも翻訳できる程度の英語力があれば十分です.
    ここではその個人輸入の仕方をご説明します.

    1. Web サイトにアクセスする
    http://pc-mobile.net/ がその Web ショップ.
    ここで「PDA > Serial」の下にある「Sony Clie」を選択.

    2. 商品を選択する
    「Following are compatible with Clie T/NR - series, and the new SL/SJ/NX/NZ series」にある「GPS interface cable (Code:PSTGS)」を選択する.
    「Serial Sync Cable」は PC との接続以外には使用できないので注意!
    購入は「Buy It」をクリックする.
    すると Shopping Cart 画面に移るので,カートの中身を確認する.

    Qty.注文数
    Shipping To支払方法
    United Statesアメリカ$
    Canadaカナダ$
    All Other Countriesその他の国
    Refresh Total注文数の変更などを行ったときに使用
    Add More Items他の商品を購入する
    Pay & Finish支払い確認画面へ移動する

    よければ「Pay & Finish」をクリックする.

    支払い確認画面で送料を含んだ総合計を確認したら「Proceed to Secure Checkout」をクリックする.

    3. 必要事項を記入する
    以下の項目を入力する.

    Shipping
    Address
    Name自分の名前を入力する.
    (例) Tarou Yamada (姓名を逆にする)
    Full Address住所を「番地,町名,市町村名,都道府県名,国名」と,全て逆から入力する.
    (例)〒100-**** 東京駅の住所
    東京都千代田区丸の内 1-9-1
    1-9-1 Marunouchi
    Chiyoda-ku Toukyou
    100-**** Japan
    ※郵便番号は日本の郵便番号そのままを記述する.
    Country自分の住んでいる国 (JAPAN)
    Telephone電話番号
    ※先頭に +81 を付ける事.
    Email Addressメールアドレス
    Notes/Instructions質問や伝言などがある場合は入力する.
    CCNow would like to ...
    のチェックボックス
    CCNow からのニュースメールを希望する場合はチェックを入れる.
    CCNow
    Payment
    Card Numberカード番号
    Expiresカードの有効期限
    Cardholder Nameカードの所有者名
    ※カードに刻印されているローマ字の名前をそのまま入力する事.
    Email addressShipping Address で記述した Email Address と同じメールアドレスを入力する.
    Billing Zip Code米国のみなので空白のままにしておく.

    入力が終わったら「Submit This Order」をクリックする.
    これで購入手続きそのものは終了.

    4. ショップからの自動応答メール (?) を待つ
    翌日頃に「Subject: CCNow Order: XX-XXXX」というメールが届くので内容を確認する.
    このメールには,引き落とし名義や現在の配送ステータス確認 URL などが記載されているので,実際にブツが届くまで保存しておこう.

    5. ショップからの発送メールを待つ
    さらに翌日頃に,「Re: Order XX-XXXX JP」というメールが届くので内容を確認する.
    このメールには,「今日メール便で発送したから 7〜10日くらいで届くはず.2週間しても届かなかったらメールしてくれ.」と書いてあった.
    これもブツが届くまで保存しておこう.

    基本的には全て機械応答で,人が絡むようなことは無いようです.
    ただし,記入事項に間違いがあったりした場合は人が絡む場合もありますので注意が必要です.

    ちなみに,注文からブツが届くまでの日数は以下の通りでした.
    当日オーダー完了メール着信
    翌日ケーブル発送メール着信
    当日より5日後ケーブル到着



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