|;゚д゚) <改造、製作などは自己責任で。

バイク移動がメインだから
例えば里に愛娘を連れて行きたい。
しかし、車が嫌い (渋滞鬱陶しいし風を感じないし) でバイクメインだから簡単に連れ出すことが出来ない。
トランクを使えば連れ出せそうだが、市販のトランクは小さいか高すぎるか柔 (やわ) いかのどれらか。
それじゃ自分が納得できるトランクケースを作ってみようかという事で始めた工作。
必要な材料
基本となる「箱」を作るだけの材料を上げてみた。
今回は SD の内箱 (分厚い方) を中敷きに使うので、トランクケースに直接人形を入れるタイプの物よりはちょっと大きめかもしれない。

木材
今回は近所の HOME'S で見つけたアガチス材 15mm を使用した。
15mm となるとかなり厚手で組み立てると結構な重さになるのだが、この厚みのおかげで 62kg の当方が腰掛けてもたわむこともない頑丈さになった。
多少頑丈さを犠牲にしても軽さを求めるならばもうすこし薄手の板にしても良いが、釘と木工用ボンドで組み立てるのでそれなりの厚みが必要となることを忘れることの無きよう。

釘 or 木ねじ
個人的には「釘+木工用ボンド」で組み立てることをお勧めする。
木ねじも結構強度を保てるが、ねじ込んでいくと下穴を開けていても割れてしまう恐れがある。

木工用ボンド
釘を使う場合は必須となるが、木ねじを使う場合は補強程度で考えると良いかと。
総重量 6kg (箱 5kg + 人形 1kg) をぶら下げるし、大事な人形が入っているので崩壊することだけは避けたい。

蝶番
蓋をセパレートタイプにするのであれば必要ないが、セパレートよりも蝶番で固定した方が楽。
天板に取っ手を付けてぶら下げるのであれば、そこそこ大きめ (少なくともネジは 3本) の物がよいと思われる。

パッチン錠
上におなじく、天板に取っ手を(ry
ただし、パッチン錠の場合は上蓋側の金具が木ねじ 2本止めの小型〜中型と、3本止めの大型の物がある。
側板に取っ手を付けるのであれば 2本止めの中型の物でよい。
鍵の有り無しは各自自由でよいが、パッチン錠の強度から考えると、パッチン錠と鍵錠は別 (鍵錠はセンターに 1つだけ配置) にするのが良いかもしれない。

取っ手
結構な重量物をぶら下げても手のひらが痛くないような取っ手を使おう。

コーティング剤 (ニスや塗料など)
木をそのまま使用すると表面がささくれ立って危険。
そこで、ニスや塗料などでコーティングをしてやるわけだが、楽に済ませるなら「アサヒペン ジェルカラーニス」がお勧め。
油性なので多少扱いは面倒 (手に着くとなかなか取れない) だが、塗料を布にしみこませて木にすり込むだけでつるっつるのピカピカになる。
刷毛や塗料皿などが不要で必要なのは布だけなのでかなりお手軽。
砥の粉を塗布するかどうかは人それぞれだが、アガチス材の場合は #240 → #400 の紙ヤスリで表面をヤスってジェルカラーニスをすり込んだだけでツルツルピカピカになった。

小型 L字金具
上蓋をインローで固定するために使うが、上蓋のがたつきを抑えられるならば手段は問わない。
インローの構造 (箱の縦断面図)インローとは、左図のように底箱の内側に底箱の高さより若干高い板などを張り、上蓋をそこにはめ込んでがたつきを抑える構造のこと。
赤い部分が上蓋の内側に当たるようになっており、これで上蓋はがたつかない。
このインローを実現できるのであれば、底箱に少し背の高い板を張ろうが、金具を角に配置して上方向に少しだけ出そうが、上蓋ががたつかなければそれで良い。
変わったことをしたいのであれば、底箱のエッジにダボを設けてがたつき防止にしても良い。
部品加工と組み立て
1. 木材の切断
中に箱を入れることが前提条件となるので、切断は出来れば直線切断が出来る工具を使用すること。
最良はホームセンターの切断サービスに頼むことだが、切断担当者の腕次第で微妙に誤差が出てくるのでこれは諦めるしかない。
今回の場合の図面はこちら

図面を見て貰えばわかるが、上箱と下箱をあらかじめ分離して作成する。
上蓋のある箱を作成する時は、初めに完全な箱を作ってしまい、あとから側板をのこぎりや丸ノコ、テーブルソーなどで切断してしまうのがセオリー。
# 詳しくはこちらを参照。
こうすることにより上箱と下箱の段違いが発生しないので見た目が非常によい。
しかし、この作法は「まっすぐ切断できること」が条件なので、手引きののこぎりではまず無理。
仕方がないので今回はこのようにあらかじめ分離した上で組み立てることにする。
図面補足。

必要な板は厚さ 15mm の板で以下のようなサイズとなる。

  1. 675 x 260mm:2枚
  2. 675 x 130mm:2枚
  3. 675 x 70mm:2枚
  4. 230 x 130mm:2枚
  5. 230 x 70mm:2枚

このうち、2 と 3、4 と 5は幅 200mm の木の板を 70mm と 130mm に切断して貰えばよい。
切断器具の器具厚み (大型直線カッターであれば 3mmくらい) はそれぞれ同じ誤差で切断されるので段違いになることはない。
なお、長さ 1820mm の木の板から切り出すと側板が 1枚の板から取れそうだが、残念ながら切断器具の器具厚みで小さい方の側板がぎりぎり切り出せない。
その場合は 1 で余った部分から切り出して貰うしかないが、微妙にサイズ違いになるのは覚悟しなければならない。
2. 仮組
L字アングルを挟んだときの間隔 まずは切断されたパーツを接着剤などを付けずに組み立ててみて、内箱が入るかどうかを確認すると同時に、釘と接着剤でくっつけてしまうと取り返しが付かないので、あらかじめどういう風に組まれるかを予想する。
今回は内箱を入れるので、内箱がギリギリ入るサイズではなく、内箱と木の板の間隔を L字アングルが入るようにしておくと吉。
# というかそれ前提の採寸なのでそういう風になるはず。

3. 組み立て
想像が出来たらいよいよ組み立てに入る。

側板の組み立て図まずは側板を組み立てる。
長さ 675mm の板で長さ 230mm の板をサンドイッチする形で組み立てる。
釘の長さは、木口に打つ場合は気の厚みの 3倍、木端に打つ場合は同 2.5倍が必要だが、面倒なので 3倍の長さ (今回は板の厚さが 15mm なので 45mm) の長さの釘を使うこと。
また、サンドイッチする側 (675mm 板) にはあらかじめ釘を通す下穴を開けておくと、位置合わせの際に仮留めが簡単にできるので楽。
釘を打つときは対象物に木工用ボンドを塗り、釘が対象物から飛び出ないか、対象物と直角になっているかを確認。

枠が出来たら今度は天板を打ち付ける。
この時、枠の高さが恐らく互い違いになっている可能性が高い。
天板は枠の高さが均一になっている方に対して打ち付けること。
さもないと天板と側板の間に隙間が出来てしまい修正不能になる。
反対側は超粗めのヤスリ (50番とかそのあたり) かカンナで面を合わせると良いだろう。
# 超粗めのヤスリで面を合わせるならば、替刃式木工ヤスリ、NT ドレッサー M-20GP+厚板鉄製のヤスリの粗目で削ると良いかもしれない。
ホームセンターなら何処でも売っていると思われる。

天板も側板とおなじく、先にした穴を開けておくと位置決めがしやすい。

4. 内箱が入るかの確認
下箱の四隅に両面テープなどで L字アングルを仮固定し、内箱が入るかどうかを確認。
どうやっても入らない場合は、L字アングル以外の物で内箱のぐらつきを無くすように。
自分の場合は角をほんのちょっとだけ押し込む程度で、後はスルスルと入っていくサイズになった。

5. 上箱の合わせ確認
L字アングルをインローの代わりにするので、アングルを仮固定した状態で上箱をかぶせてみる。
上手く入れば良いが、駄目な場合はインローを諦めるか、もしくは他のもう少し薄い素材をインロー代わりにする、または自分のように側板の片方にのみダボを取り付けてぐらつきを抑えるようにする。
なお、ダボは雄と雌の位置あわせが非常に難しいので、出来ればダボは使わない方がよい。
# ダボマーカーなる物を使わないと、必ず最低 1mm はずれる。orz

6. 蝶番の取り付け
蝶番を取り付けるときに、上箱と下箱の側面がどうしても一致しない場合は、一致しない差が小さいのであればそのまま無理矢理固定してしまっても良いが、駄目な場合は薄い板やワッシャーなどを噛ますしかない。
ワッシャーは面に対する圧力が高くなってゆがみの原因になるので、出来るだけ板状の物を挟むようにすること。
簡単にするならば薄手のプラ板でも可。

7. パッチン錠の取り付け
パッチン錠 close パッチン錠 open
パッチン錠は、留めたときに「きつすぎずぐらつかない」位置に固定すること。
あまりにもきつすぎると錠がもげる (特に上箱側) し、緩すぎると上箱を持ち上げたときにぐらつく。

8. 表面加工
パッチン錠と蝶番を一旦外し、表面の仕上げを行う。
コレを行わないと木の表面がささくれ立ったりひっかかったりで大変なので、そこそこしっかり行うこと。

表面仕上げは以下のようになる。
  1. 水引き
  2. #240 の紙ヤスリで仮削り
  3. 砥の粉塗布
  4. #400 の紙ヤスリで木の表面が見えるまで削り
  5. ニス塗り
簡単に済ませるならば砥の粉の塗布は不要だが、木の表面は溝が残っていることが多いので、砥の粉は出来るだけ塗った方がいいが、自分は今回は塗っていない。

ニスは「アサヒペン ジェルカラーニス (透明)」を使った。
このニスは布に着けて木に塗り込むだけと言った超お手軽ニスなのだが、油性のため手に付着するとなかなか取れない。
使用するときはビニール袋を手袋代わりにして塗った方がよいだろう。
塗り込むときに使用する布は、出来るだけ毛羽立たない Tシャツなどの切れ端が良いだろう。
塗り方はボトルの側面に書いて有るとおり、2回に分けて塗っている。

9. 取っ手の取り付け
何処に取り付けても良いが、今回は天板に着けてみた。
裏側は爪付きナットを打ち込み、表側からボルトで固定。

10. 完成
取っ手を着けてない頃の写真です。
正面  内箱を入れてみたところ  内箱とっぱらってみた

L字アングル  ダボで横方向のぐらつきを抑える  ハンドルの裏は爪付きナットを打ち込んで固定

おまけ。
空夏を入れてみた ちょっときついみたいだ
ちょいと追加機能
このままだとまだ使いやすいとは言いにくいので、いくつか機能を加えてみようかと思う。

バッジ取り付け
どこかで見た「SD バッジの有効活用」を実践してみるテスト。
このバッジ、バッジに針が着いているのでブスっと刺せるのだが、そのまま刺すだけだとすっぽ抜けるので両面テープで固定したい。
しかし、バッジの裏が凸型になっているので、そのまま着けると接着面を稼げない。

バッジ断面図 そこで、まずは左図のように凸部に当たる両面テープをくりぬいて凸部を回避する。

両面テープを張ってからカッターナイフなどでくりぬく 青い半透明の部分が両面テープ。
普通の薄い両面テープを使用した。

8mm 木工用ドリルで軽く掘る と同時に、箱側の凸部が当たる部分をちょっと彫り込む。
彫り込む深さは凸部が埋まればそれでよいので 2mm くらいでよい。
木工用ドリルを使うと、彫り込む面が平面になり、センターが出せるので楽。
ただし、バッジ側の針がセンターが出てないので意味はない。

SDバッジ こうしてこのようなエンブレムになる。

内蓋作成
写真準備中。

人形固定用スポンジ作成
箱の中で人形がガスガス動くのを防止するため、スポンジを使ってそれを抑制してみる試み。
材料費は 498円なり。

スポンジブロック250 今回使用する製品名「バラエティスポンジ スポンジブロック 250」。
かなりでかいので残り 1/3 が在庫不良となる。

胴体用と足用 それを、このように胴体用と足用に切り抜いて使用する。
胴体用は胴体に適当に合うように丸く切り取り、足用はそのまま直線で切る。
切り込みの深さと幅は、人形が中でぐらつかない程度にきつめで。

あとは頭と足の裏にも適度な厚みに切断したスポンジを挟んでおくと、上下方向にずれなくて良い。

ベルト固定金具増設
ケースを強固に固定するため、固定用アイを取り付けることにする。

ステンレス製アイプレート (呼び 6mm) 4個   \1,248 (@\312)
爪付きナット M5 10個入り 2セット   \200 (@\100)
アルミサッシ用ステンレス製ビス M5x16mm 10個入り 2セット   \200 (@\100)

合計   \1,648

アイプレートは呼び (呼び径) 6mm となっているので 5mm のネジを使用する。
# でないとネジが入りません。orz

ビスは「アルミサッシ用」と指定しているが、これは皿ネジの皿の部分がアイプレートのねじ穴の受け皿径と同じで収まりが良かったためであり、収まりが除ければ何でも良い。

ネジ及びアイプレートの素材は、外部に露出するのでステンレス製の方がよい。
爪付きナットは内側に隠れること、及びステンレス製がなかったので普通の鉄製?を使用した。

アイプレート取り付け 取り付けたアイ。
穴を開ける際には、穴がアイの穴とずれないように気をつけること。

裏は爪付きナットを打ち込んで固定 爪付きナットを打ち込むため、6.5φの穴を開けた。
ちなみに爪付きナットの種類によって入れることの出来る穴の大きさがまちまちなので、とりあえず外径を計ってみること。
この爪付きナット (10個パック) は 7φの穴の方が良かったようで結構きつかった。orz
# ハンドル固定用に使った爪付きナットは 6.5φで丁度良かった。

全景 取り付け完了。

ベルト作成
ゴム紐だとどんなに引っ張ってもやっぱり伸び縮みするので、伸び縮みのしないナイロンベルトを使用して固定用ベルトを作ってみた。
普通ならばバックルを使うところだが、それでは面白くないので今回はバックルを使わずカラビナで引っかける物にしてみた。

ナイロンベルト 20mm x 3m   \750 (@\250)
ラダーロック (2本コキ) 20mm 4個   \192 (@\48)
ステンレス D リング 20mm 4個   \352 (@\88)

合計   \1,294

なお、ナイロンベルトの端はライターなどで火あぶりにして軽く溶かしておく。
こうすることでベルトの端がほつれてこず見た目が良くなる。
# ナイロン平ベルトでは良く行われる端処理。

固定ベルトは合計 4組作成し、それぞれを 2分割する。
まずは長さ調節ベルトにひっぱられる短いベルトを作成。
あまり長くしすぎるのもなんなので、そこそこ短くすればよい。
片方に D リング、片方にラダーロックを通し、糸で縫い付ける。

糸は手縫い用の綿糸ではなく、ミシンなどで使われるナイロン糸を使用する。
綿糸はナイロン糸より太くても強度が無く、比較的簡単にちぎれてしまうので使用しないこと。

ナイロン糸がミシン糸のような細い物しか手に入らない場合は、何度か往復して縫い付けると良い。
ミシンを使用するならば、4往復くらいすればかなりの強度を稼ぐことが可能。

なお、糸の種類がわからなくなったら、火で軽くあぶってみるとすぐわかる。
ナイロンの場合は細いプラスチックを燃やしたときのようにチリチリになるが、綿糸は紙のような燃え方になる。

長さ調節側ベルトは、片方をこのようにわっかにする。
ただ単にわっかにするのではなく、シートバッグなどで良く行われているように 1回ねじって縫い付けてみた。
こうすると引っかけるときに引っかかりが良くなるようで。
ちなみにこちら側の縫い方は、四角を描くように 4周ほど縫ってみた。
この方が直線・往復縫いよりも強度が出る。

あとは D リングにカラビナを取り付け、トランクボックスのアイプレートにひっかけて長さ調節ベルトを左右均等にひっぱればボックスを簡単に固定できる。
D リングを荷掛けフックに引っかけるのであれば、こういう使い方もある。

前から 後ろから

ベルト拡大 荷掛けフック拡大

リングに対するベルトの通し方ベルトは左図のように、アイプレートにベルトを通した後、ベルトのわっかにベルトの反対側の先を通してひっぱるだけ。
こうするとわっかにベルトを固定することが出来る。

100円ショップで買ってきた強度の低いカラビナ カラビナを使う場合は、100円ショップで使っているカラビナで恐らく十分だろうと思うが、不安な人はしっかりした山岳用カラビナを使用しても一向にかまわない。

カラビナをDリングに着けてみた カラビナは D リング側に取り付ける。

アイプレートのアイ部分に引っかける このようにするとロープの取り外しが非常に楽。
しかもプラスチックバックルよりも強度が高いので安心できる。
ただし、カラビナが箱と接触するような場合は箱に傷が付いたりへこんだりするので、そこらへんは各自自由にすること。
実際に使ってみてどうよ?
なにより頑丈なのがよい。
かなり頑丈なので多少ぶつけたところで中の人形に被害が及ぶことはないと思うが、流石に過信は禁物。
バイクに固定した状態で2ゲットズサー (スリップなどによる滑走) したり立ちゴケするとどうなるかわからない・・・。

固定は流石にここまでするとかなり楽で、ゴム紐で固定することを考えると多少面倒でもベルトを自作した方がよい。
何より、シートの上で踊らないのが一番だろう。
メモ