Make the Wireless LAN Antenna #1
 無線 LAN アンテナの作成 #1
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アンテナがない

無線 LAN MiniPCI を内蔵してもアンテナがないと通信は行えない。
# 距離 1m 程度であればがんばって通信できるけど・・・。
しかしアンテナを入手するのが困難な場合は自作するか諦めるしかない。

ということで自作に踏み切りました。

基本的なお勉強

  • 使用する線材について
    2.4GHz という高周波帯域を使用するので、特性インピーダンス 50Ωの同軸ケーブルを使用しなければならない。
    75Ωだと減衰が大きいかも・・・。

    線の太さはノート PC 本体や液晶内部を這わせるので、できるだけ細いケーブルを使用すること。
    今回は 0.8D-2V という JIS 規格のケーブルを使ったが、コレでも若干太いため、手に入れられるならば 0.5D-2V くらいが良いだろう。

    JIS型同軸ケーブル
    http://www.furukawa.co.jp/optcom/metalcable/jiscoax.htm

    線材は大阪・日本橋だと共立の 4F に売ってました。→ 0.8D-2V

  • 波長について
    2.4GHz 帯の 1波長は 122.364mm となる。
    計算式は以下の通り。

    波長λ = c(m/s) / f(Hz)

    c = 2.99792558 x 10^8 (m/s) = 299,792,458
    f = 2.45 GHz = 2.45 x 1,000,000,000 = 2,450,000,000 (Hz)

    λ = 299,792,458/2,450,000,000 = 0.12236426 (m) = 122.36 (mm)

    1波長が計算できたのであとはアンテナを作成する際のベースとなる 1/* の計算を行う。

    波長(λ)計算式波長(mm)
    1/2λ0.5 x 122.3661.18
    1/4λ0.25 x 122.3630.59
    1/6λ0.166667 x 122.3620.39
    1/8λ0.125 x 122.3615.30
    1/10λ0.1 x 122.3612.24

  • アンテナの種類
    無線 LAN で使用可能なアンテナは以下のような種類がある。

    名称説明作り
    安さ
    感度備考
    フィルム
    アンテナ
    1辺約 1/4λの長さを持った正方形のシート状アンテナ。
    0.2mm の銅板 1枚で作成できるので加工が容易であり、その薄さからノート PC への内蔵も比較的簡単。
    噂によるとアルミ箔でも問題ないらしい。
  • miniPCI無線LAN増設
  • ノート PC 用無線 LAN アンテナの配置(PDF)[ミラー]
  • IEEE 802.11a/b/g マルチシステム対応 広帯域無線LANアンテナ(PDF)[ミラー]
  • 2.4GHz帯モバイル機器内蔵用フィルムアンテナ(PDF)[ミラー]
  • スリーブ
    アンテナ
    1/4λ分の編組線を折り返して作成する 1本の直線状のアンテナ。
    軸の銅線も 1/4λの長さとし、合計 1/2λとする。
    直線状なので液晶パネルカバーのフレームに納めることが可能だが、指向性の特性上、アンテナを水平にしなければならないためパネルカバーの上部、もしくは下部に収めることになる。
    1/4λの編組線を折り返すのがかなり面倒。
    ループ
    アンテナ
    長さ 1λの 1本の線を円状にしたアンテナ。
    その加工のしやすさと送受信感度の良さが売り。
    しかし指向性の特性上、水平にすると送受信感度ががた落ちになるため、ノートのボディ側に収めることは不可能。
    液晶パネル裏と液晶パネルカバーの間にループ部が入るようであればお勧め。
    編組線の折り返しが必要なく 1本の線を円状にして編組線と内線に半田付けするだけなので超お手軽。
    ヘンテナ変な特性を持ったアンテナ。
    ここで書くのは意味がないのでこのあたりを参考に
    水平にしても送受信感度は変わらないようだ。
    バズーカバラン部の折り返しは普通に折り返すだけではなく、折り返した折り目の部分を切断しなければならない。
    また、折り返した編組線の先を途中で被服を剥いだ編組線に半田付けしなければならず、アンテナ部分よりもバズーカバラン部の作成に手間がかかる。

  • 各機種における注意点

    無線 LAN アンテナを自作または純正アンテナを IBM 部品センターで注文して取り付ける際の注意点を挙げてみることにする。

    X20 〜 X24
    自作アンテナを内蔵する場合は液晶リアカバー内にそのまま収めるだけでは電波を受信できない。
    これは、液晶リアカバーがチタン複合素材のために電波を上手く受信できないため。
    そのため、無線 LAN 内蔵モデルではアンテナの部分がプラスチック製の窓になっている。
    このため無線 LAN 未搭載モデルにアンテナを内蔵する場合は、何らかの手段でアンテナ部を外に晒さなければならないかもしくは液晶リアカバーのアンテナを設置する部分に穴を開けなければならない。

    純正無線 LAN アンテナを使用する場合は液晶リアカバーが無線 LAN アンテナ専用品となるので注意。
    (アンテナ無し用液晶リアカバーには取り付けできない)
    そのため液晶リアカバーも交換対象となる。

    液晶リアカバーに自作アンテナを収めようとする場合は、液晶リアカバーの右ヒンジ部にアンテナ線が通るだけの切り欠きが必要となる。
    本体側は既に切り欠きが用意されているので、その切り欠きに合わせて液晶リアカバーの右ヒンジ部の切り欠き作成を行う。
    材質が材質なのでニッパーで切り欠きを作成しようとするとそのまま割れてしまう。
    カッターナイフでちまちま削るかヤスリで削るかをしたほうが良い。

    アンテナ組み込みに必要なパーツは以下の通り。

    パーツ名称FRU 番号価格備考
    LCD 背面カバー・キット (アンテナ付きモデルW/W)26P9819\6,440アンテナ付きではないので注意。
    アンテナ26P9824\4,040 

    T20 〜 T23
    「LCD カバー・アンテナ・キット (パーツ番号:46L4910)」と「アンテナ用ヒンジ (パーツ番号:26P9196)」が必要のようだ。
    使用されている素材や注意点などは X2x と共通。
    なお、X2x と同じように左右上部に窓があるらしい@2ちゃんより

    パーツ名称FRU 番号価格
    アンテナ・アセンブリー26P9197\1,990
    LCD カバー・アンテナ・キット (モデルxxKを除く)46L4910\---
    アンテナ用ヒンジ26P9196\---

    参考



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    PHOTO by Canon IXY 300a