|;゚д゚) <改造、製作などは自己責任で。

自立 (自己直立) は難しい。
DD2 は DD に比べて自立させやすいとはいえ、多少の揺れや風などが当たるとすぐに倒れてしまい、飾ったり写真を撮ったりすることが非常に難しい。
通常はスタンドを使うわけだが、純正スタンドは \5,000 と暴利のような値段。
そこで、自作したら安く作れるのだろうか?とおもって作ってみたのが自作スタンド。

今回は腰で保持する腰固定型スタンドではなく、見た目の良さと製作のしやすさからサドルスタンドを製作したが、結果から先に言うと、サドルスタンドは格安で作成でき、作り方も非常に簡単。
ベースとアルミパイプの結合力が問題になってくるが、これは追々使っていかないとわからないところ。
サドルスタンドとは?
人形用スタンドにはいくつか種類があり、当方が知っているだけだと 3種類ある。

腰固定型
よく見る一般的なスタンド。
腰を C 型のわっかで支えているため前後左右の転倒耐性は高い。
その変わり、腰回りに金属のわっかが露出するため見た目の良さは多少失う。
他の固定方式に比べると転倒耐性が高いので、多少無茶なポージングが出来るのもポイント。

サドル型
比較的珍しいかもしれないタイプ。
腰固定型に比べ、股間で支えるので見た目が非常に美しく、ロングスカートを履いているときはスタンドを使用していることがわからないほど。
ミニスカートなどでも腰に金具が見えないため、見た目は腰固定型よりも良い。
固定は股間のみで行われるが、両足と股間から伸びたポールの 3点支持になるので固定力は見た目ほど悪くはない。
ただし転倒耐性は多少弱く、股間を支点にしてバク転してしまう可能性有り。
横方向の転倒耐性に関しては流石に腰固定型よりは劣るが、多少の揺れ程度ではびくともしないので問題はない。

脇固定型
あまり見ない固定方式。
脇でつり下げる形になるので腰固定型よりも転倒に強いものと思われる。
転倒耐性が高いため、直立不動で飾るのであれば最適な固定方法だが、直立不動以外のポーズが取りにくいのが難点。
個人的には、ヘアのメンテナンス時に使用するのが良い使い方だと思われる。

足下固定型
リカちゃん人形でよく見られる固定方式。
1/3 サイズだと流石に重量がありすぎるので現実的ではない。
足下で固定するスタンドは透明で小さな物なので、スタンドの自己主張がかなり抑えられ、普通に飾っている分には見た目は非常によい。
しかし、両足をそろえた形で固定するので棒立ちスタイルでしか固定できないのが難点。
転倒耐性は不明。

今回はこのうち、"サドル型 (サドルスタンド)" を製作する。
必要な材料
アルミ棒
ドールを直接支持する棒 (ポール) になる。
中空である必要はない。
加工のしやすさと保持力の事を考えると、アルミ丸棒 3 〜 4mm がお勧め。

アルミパイプ
アルミ棒が中に入るくらいの直径を持ったアルミパイプ。
スタンドの外側パイプに使用する。
中にアルミ棒を挿入するので必ず中空のパイプを使用すること。
真鍮パイプの方が頑丈でスタンドに最適なのだが、加工のしやすさと値段で今回はアルミを選択。

ベース
見栄えを考えなければどんな物でも良いが、初めのうちは木ぎれ・廃材を利用するなどしてみよう。
今回はホームセンターで厚さ 15mm の木の板が \50 で売っていたのでこれを使ってみた。

ネジ
上下にスライドする支持ポールを固定するために使用する。
2φくらいの小さなネジで十分。
ただし、固定パイプに真鍮を使用する場合は、ネジ穴に対してタップを立てなければならないため、該当のφサイズのタップがあるかが問題。
該当のφサイズのタップがない場合はタップに合わせよう。

熱収縮チューブ
支持ポールと素体が直接触れると素体が傷つくため、支持ポールが素体に触れる部分に取り付けて傷を防ぐための物。
電材屋などで売っているので適当な物を買ってこよう。
色移りが心配なので透明なチューブをお勧めする。

組み立て
必要な材料を用意したら組み立てを行うが、各部品の寸法は自分の好きな大きさでよい。
今回は参考程度にサイズを記載するが、厳密にこのサイズでないと駄目というわけではない。
ただし、あまりにもサイズが違いすぎると、例えば支持ポールが延ばしきれない・縮めきれなかったり、ドールの足の置き場がなかったり机の上で邪魔になったりなどするので、どの程度のスペースが必要なのかなどをしっかりと把握すること。

1. 部品の加工 - ベース編
ベース まずはベースを作成する。
大きさは 220mm x 110mm で切断する。
表面や切断面など、ささくれが出そうなところは徹底的に表面を削っておくこと。
※靴下などで立たせると引っかかることになる。

穴を開ける場所
切断が終わったら今度は固定ポールを突き刺すための穴を開ける。
穴の大きさは固定ポールの直径よりほんの少しだけ小さい方がいいが、同じサイズで穴を開けてもきつくはまるので問題はない。
心配であればエポキシなどの接着剤で固定しても良い、というよりも固定することをお勧めする。

穴の深さは、ドールを保持して外れ (倒れ) ないだけの固着力を持つ深さにする事。

穴の位置は対角線中心部と長辺の間にする。
センターからずらす理由は、支持ポール先端がポール中心より前に出るため、必然的にドールの保持は前の方になる。
ベースのセンターにポールを固定するとドールが前に出過ぎるため、あえて後ろの方にオフセットさせている。

2. 部品の加工 - 固定ポール
ポールに穴を開けてネジを入れた状態 ベースに固定させるポールを適当な長さで切断し、ネジ穴を開けてタップを立てる。
タップは、ポールがアルミパイプの場合は必ずしも必要ではなく、ネジを締め込んでネジタップ(笑)でねじ山を切られるようであれば、タップでねじ山を切る必要はない。
ただし、真鍮パイプを使用する場合は話は別で、恐らくネジタップでねじ山を作られないと思われるので、その際はタップでねじ山を作る必要がある。

3. 部品の加工 - 支持ポール
これが最難関。
固定ポールに刺さる部分はまっすぐでよいが、ドールを保持する部分は股間の形に合わせて微妙に曲げ加工を行う必要がある。

支持ポール - 横面今回作成したポールの図。
このように、円弧の形ではなく微妙な曲線になっているので、股間にポールを当てて様子を見ながら曲げてゆくと良い。

4. ポールの組み立て
まずは固定ポールをベースの穴に刺して固定する。
この時、固定力が弱いと感じたら接着剤などで強固に固定すること。

固定できたら今度は支持ポールを固定ポールに突き刺して、固定ポールに付けているネジで固定する。
この時、この段階では支持ポールを完全に固定しない事。
5. ドールの固定
支持ポールは長めに延ばしておき、上からドールで押し込んで丁度良い長さにする。
長さが決まったらここで初めて完全にネジ固定すること。

支持ポールは、出しすぎると股間を回転の中心としてドールがバク転するので注意。
コツとしては、股間と支持ポールの間に 2、3mm ほど隙間を作るくらいの気持ちで短くセットする。
支持ポールはあくまで自己直立をサポートするだけのものであり、支持ポールでドールを直立させるものではない、と考えればよいだろう。

前から見たところ前から見るとこうなる。
ポールを跨ぐ感じでドールを乗せる。

後ろから見たところ後ろから見るとこうなる。
おしりの割れ目でポールを挟むと安定する。
実際に使ってみてどうよ?
かなりイイ(・∀・)!!
多少の揺れではびくともせず、今までは取ることが難しかった "背中を反らせたコンパニオン立ち" も軽々とこなせるようになった。
また、片足は膝を曲げてつま先を当てるだけという、スタンドがなければ出来ないであろうポーズも取れるようになったので、飾っておくときの萌え度がうp。
サドルスタンドだと見た目が良くて製作も簡単に行えるので、スタンドに困っている人には是非お勧めしたい。