白川郷合掌村訪問記
  〜自宅→荘川村→白川郷合掌村〜 (2004年7月2日〜3日)

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岐阜県荘川村。
そこにはダムのほとりに樹齢 400年を越す桜の巨木がある。
この桜はその昔、ダムを建設する時に寺の周りに植樹されていた桜があったのだが、 それも沈んでしまうために村の人総出でこの桜をダムの上まで移植したという。

岐阜県白川郷。
ここには「合掌造り」とよばれる藁葺きの家が残る、昔の古き良き時代を今に残し、 世界文化遺産にも登録されている最重要区画。

この 2つを聞いたときに前々から「是非行ってみたい」とは思っていたものの、 片道に要する距離と時間の折り合いが付かず、荘川村までは行ってみたものの滞在時間 1時間という、 距離と移動時間にしてはあまりにも短すぎるなんとも話のネタにしかならないツーリングだった。
そこで今回、御母衣湖 (みぼろこ) のほとりにキャンプ場があるということで泊まりがけで行ってみた。




午前 4時。
街はまだその活動を停止している、空もまだ漆黒の闇に染まっている時間帯。
そんな時間に今回のツーリングの 1日が始まる。
ZZ-R に火を入れると 400cc にしては低音が響く排気音が辺りをざわめかせるが、 流石にこの時間帯だと近所迷惑になるので速攻で目の前の国道まで出る。
国道だと周りが囲われていないので、排気音もそう響かないとは思われるのだが・・・。
暖機を少し行い、ギアを 1速に入れクラッチを繋いでゆるりと走り出す。
国道に出たといっても真隣はマンションなので、対向車線に移動する。
このエリアは対向車線が 10mほど離れており、 また高架なども架かっていて先ほどの場所よりはまだマシな場所。
そこで Geko201 の電源を入れ、出発の写真を撮影してから ZZ-R のアクセルをゆっくりとひねる。
カワサキ車は始動後にいきなり高回転で回すのは御法度と聞いているので、 6速 4,000rpm までに抑えて 4km ほど走る。
それくらい走るとエンジンや駆動系のなじみも完了するので、あとは普通に回していくだけだ。

早朝の一般道は車がほとんど居ないのでまるで田舎道のよう。
そんな快適な道をそこそこの速度で駆け抜ける。
空が漆黒の闇から紺碧に移り変わり、街中も段々とにぎやかになる頃には琵琶湖の辺に出ていた。




今回のルートは自宅から京都方面へ向かうため、京阪本線沿いに走るルートを取る。
このルートだと途中はほとんど信号がないため快調に進むことが出来る。
京都府八幡市に入ると R1 に向かい、京滋バイパス・第二京阪 JCT の下を宇治方面へ。
宇治平等院鳳凰堂の裏手にある大きな駐車場を通り過ぎて宇治川ラインを通り、瀬田川の洗堰水門へ。
そこから反時計回り (左回り) のルートを取り、米原まで湖岸道路を走る。
この湖岸道路は早朝に走るとトラックやダンプが往来しており走りにくいが、 信号がほとんど無いためそこそこのペースで走ることが出来る。
米原にはいると R21 にすすみ、そこから岐阜市街を通り抜けて R156 へ進む。
そのまま R156 沿いに走ると荘川村・御母衣湖まで一直線だ。
更にそのまま道沿いに走ると目的地の白川郷に到着する。




琵琶湖・湖周道路は早朝ともなると、ダンプやトラックなど貨物系の大型車が非常に多い。
しかし、湖を左手に近く見ながら信号も無しで走られるので、自分はこのルートを好んで走っている。
# ちなみに R8 はもっと酷いので走らない方がよい。
今回は移動が目的なので長命寺の交差点では湖岸を走らず、直線状に抜けられる道を選択した。

この湖周道路を米原まで走ると、今度は R21 へ出なければならない。
ここらからは時間帯も時間帯だし、今日が金曜日の平日ということもあり車が多くなってくる。
遅い車をパスできるところでは素早くパスし、距離と時間を稼ぐ。

そのままほとんど道なりに走っていると、いつしか岐阜市街に突入する。
流石にこの時間ともなると平日ともあり車の量が凄い。
しかし二輪はそんな渋滞もなんのその。
車の横をすり抜けて渋滞をパスする。
岐阜市街を抜けると段々と車の量が減ってゆく。
太い R21 はいつしか細い R156 に変わり、路面電車がゆるりと走る郊外に出る。
時折路面電車と対向しながら、風景は住宅地から見晴らしの良い河川敷に変わっていった。




周りを見るといつの間にか大きな川の横を走っていた。
長良川だ。
時々停車して道中写真を撮りながら、ペースを落としてのんびりと走る。
周りに車はほとんど居ないので、自分のペースで好きなように走ることが出来るのが嬉しい。

そんなこんなで走っていると、ふと気になる風景があった。
目に入ったのはなにやら大きな構造物。
よく見てみると発電器のようだ。
こういう構造物には目がないので ZZ-R をその方向へ向ける。

説明を見てみると、新しい発電器に交換した際に古い発電器が残ったものを そのまま資料用のオブジェにしているみたいだ。
水力発電所のようなので入り口を見てみると、「長良川水力発電所」と書いてある。
その建物は煉瓦造りでまるで明治時代の古い建物を見ているような、 発電所にしてはなんとも洒落た外観だ。

ちなみにこの発電所、ちょっと調べてみるとその外観からも想像されたとおり、 1910年 (明治43年) に運転が開始され、 発電用に作られた水路橋も含めて有形文化財に指定されているという。
また、この発電所は現在も立派にその役目を担い、周辺地域に電力を供給している。

そんな古風な発電所をちょっとだけ撮影をして先に進む。

後は風景撮影を IXY 300a で少しばかり盗りながら、ほぼノンストップで御母衣湖まで。




御母衣湖に着いてみると思った通り人は少なかった。
土日になればライダーや観光客が増えるのだろうが、今日は平日だ。

御母衣湖は前回見たので、今日は通過してその向こうの白川郷まで足を延ばす。
白川郷に着いてみると、平日にも関わらず結構な人。
川の向こう岸に ZZ-R を停めて吊り橋を渡り、白川郷の中に入ってゆく。

吊り橋を渡り終えるとそこは日常とはかけ離れた風景だった。
昔を思い出させるような合掌造りの家々が立ち並び、何時も住んでいる街中とは全く違った風景がそこにある。
物珍しさも手伝って 10D のシャッターを切りまくり、のんびりと郷の中を隅々まで見学する。

最後に丘の上の展望台まで上ろうと思ったが、流石にその距離は歩けないので ZZ-R で上ることにした。
歩行者が多いので気を付けて微速前進。

丘の上からの風景はまた別格だった。
今までは下から見上げていた大きな合掌造りの家々も、丘の上から見るとちっぽけな家に見える。
しかし、下界から見ていた 1つ 1つの家とは違い、上から見た集団としてみることが出来、 全く違う景色を楽しむことが出来た。




数時間ほど白川郷に居たが、ほとんど全てを見終わってしまったので別の場所に行くことにしたのだが、 自宅を早く出過ぎてしまい行く宛がない。
というのも、第 2の目的としていた白川スーパー林道がなんと二輪通行禁止 (ふざけんな!!)。
仕方がないのでそこらへんをぶらぶらしようと適当に走り回って時間を潰すことにしたが、 時間を潰しすぎて今度は晩飯を食うタイミングを逃してしまった。
なんとか無事にスーパーで安売りしていた弁当を購入できたのだが、あやうく食いっぱぐれる所だった・・・。
# 今回は飯作成セットは持っていってません。

キャンプ場には既にチェックインを済ませていたので、明るいうちにキャンプ場に入ってテントを張ることに。
ここのキャンプ場も流石平日、誰も居ないというか自分一人。
チェックインの時に言われたのだが、

本当は二輪と四輪で区画が違うけど、今日は誰も居ないから好きなところ使っていいよ。
と。
好きなところと言われると困るくらい広かったのだが、 湖の側がいいなと思ったので奥の方にテントを設営することにした。
設営が完了したらいよいよ晩飯になるのだが、 晩飯もできれば明るいうちに食い始めた方が周りがよく見えて楽だし、なにより虫が寄りにくい。
# 少し遠くの場所で明るいランタンを吊しておき、 身の回り用には多少暗めのランプを使用するという技で回避することも可能ではある。
ただの弁当なのだが、こうしたキャンプで食べる飯は日常とは違いまた格別だ。

飯を食い終わる頃には辺りは暗くなり、街中とは違う闇が訪れる。
とりあえずやることも何もないので、設備のチェックだけ行っておくことにした。

シャワー有り
トイレ有り
炊事場有り
洗濯機・乾燥機有り
バイク持ち込み可能
値段(忘れた)

なかなかの設備だ。
ただし、シャワー室や炊事場が有る建物にはいるときには入り口に蜘蛛の巣が張っている可能性があるので、 通過するときは頭上に注意すること。

辺りは完全に闇になり、道行く車の数も少なくなり、虫の声が静かに聞こえる。
もうこうなるとあとは寝るだけなので、テントの中で撮影した写真のチェックでも行って寝ることにする。
明日は暑い中帰らないと。




起床。

大阪とは湿度・気温が全く違いものすごく気持ちの良い朝だ。
早速 10D を抱えて湖に出てみる。
空と雲がよい感じで湖に写り込んでいるので何枚か撮影。
しかし残念ながら湖岸には朽木が沢山漂着しており、綺麗な湖岸とはいえない。
しかしそういう風景もまたダムの 1つの風景として捕らえられるので、これはこれで良いような気もする。

今日は完全に帰宅日なので、テントなどを仕舞って帰るのみ。
帰りの道中、岐阜市街であまりの暑さに魂が抜けていたときもあったが、なんとか自宅に無事到着。
ほとんどノンストップだったので道中の話題は一切無しなのでここでは割合させていただく。

自宅に到着したら荷物を下ろして自室に持ち込む。
バイクカバーをかけるのは明日にしよう・・・。


走行距離720km
費用ガス代:\4,676
飲食費:\2,518
旅行費:\1,500
-------------
総計:\8,694
乗車時間約 12時間
日程1泊2日


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