The network participating method of TH55
by ADHOC

 Adhoc による TH55 のネットワーク参加方法
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  PC に 802.11b デバイスがあるのに・・・.

SONY CLIE PEG-TH55 (以下 TH55 と呼称) は内蔵無線 LAN を標準搭載している,家庭内モバイル (ぉぃ) に最適なデバイスです.
その無線 LAN ですが,アクセスポイント (以下 AP と呼称) がなければ接続できません.
しかし,環境によっては (例えば会社などでは) AP を勝手に設置できません.
こうなると,無線 LAN は無用の長物 (むようのちょうぶつ:あっても意味が無く,かえって邪魔になるもの) となってしまいます.
そこで,Adhoc モードで無線 LAN デバイスを持った PC に接続し,その PC をルーターとして使用し,ネットワークに参加させる環境を構築する手順を説明します.

  必要な機材

今回の検証に使用した機材などは以下の通りです.
  • OS は Windows 2000 を使用する.
  • CLIE 用に適当な無線 LAN (以下 WLAN と呼称) カード
  • ノート PC をネットワークに接続するための LAN カード (以下 NIC と呼称)
  必要条件

今回の検証では,以下のような条件を満たしている必要があります.
  • CLIE とネットワークの橋渡しとなるノート PC (以下 CLIE 用ルーター) は,ICS を適用していない PC で既にインターネットに接続できるような環境にあること
    例えばダイヤルアップルーターで接続されているものなど.
    ICS (インターネット接続の共有:Internet Connection Sharing) が適用されている PC では,既に ICS を他の NIC に対して適用しているので,WLAN に対しての ICS 適用は行えません.
    # 1台の PC で使用できる ICS インターフェイスは 1つのみです.
    Proxy でしか外に出て行けないような環境 (例えば会社) では,LAN 上の Web サーバーのコンテンツを閲覧できるような環境にあればそれでかまいません.
    その環境で CLIE でインターネット上に出てゆこうとする場合は,NetFront などのアプリケーションで Proxy を使用する設定を行ってください.

  注意事項

  • ICS モードへは WLAN が接続状態になっていないと設定できないので注意
    ICS モードにする場合,ICS インターフェイスとして使用されるインターフェイスは接続状態になっていなければなりません.
    # 今回の場合は,TH55 を Adhoc モードで WLAN と接続している必要があります.

  • ICS モード中に ICS の対象となっているインターフェイス (WLAN) を取り外さない事
    取り外すと,再度取り付けてもなぜか NIC そのものを認識してくれない WLAN カードが存在します.
    例) PEGA-WL100 (個体差?)

    この場合,以下のような手順で再認識を行わなければなりません.

    • ICS モードを解除 (これは WLAN が接続状態になっていなくても OK)
    • WLAN を外す
    • WLAN を付ける
    • CLIE を Adhoc で接続
    • ICS モードに設定

    なお,MELCO WLI-PCM-L11GP は取り外しても再認識することを確認しています.

  • CLIE 用ルーターではファイアーウォールなどの設定に気を付けること
    これが原因で数時間棒に振りました._| ̄|○

  設定

  1. CLIE をネットワークと接続するためのルーター PC (以下「CLIE 用ルーター」と呼称) の用意
    WLAN カードと NIC が両方とも認識されていることを確認してください.
    (ipconfig コマンドで WLAN カードと NIC が両方認識されている事を確認)
    WLAN カードは後の ICS 設定で勝手に変更されますので,DHCP を使うように設定 (デフォルト) しておくだけでかまいません.

  2. WLAN カードの設定 その1
    WLAN カードを Adhoc モードに設定してください.
    # 設定方法は WLAN カードの説明書を参照すること.

    気を付ける点は以下の通り.

    • WEP (Adhoc でも WEP 設定できるものもある)
    • SSID
    • 使用チャンネル

    これらは CLIE と WLAN カードで合わせる必要があります.
    IP アドレスは自動取得モードでかまいません.
    # へたに触るとはまります.

  3. CLIE の設定
    「ワイヤレス LAN 詳細設定」でプロファイルの新規作成を行います. ※ここでは話がややこしくなるので「スキャン」は使わないこと.

    プロファイル名や SSID などを設定しますが,SSID は CLIE と WLAN カードの文字列を合わせておきます.
    WEP を使う場合は,これも双方同じ文字列を使用することに注意してください.
    # 自分は WEP 有りの Adhoc で接続しました.
    「接続種別」は「Adhoc」を指定します.
    「ch:」は WLAN で設定したチャンネル番号を指定します.

    「高度な設定」をタップして CLIE 本体に割り当てる IP アドレスを固定で設定します.
    ここは ICS (インターネット接続の共有:Internet Connection Sharing) の設定でよく説明される設定をそのまま適用してください.

    IP アドレス192.168.0.2
    ※DHCP がないので固定
    サブネットマスク255.255.255.0
    ゲートウェイ192.168.0.1
    ※ICS モードで動作するときの WLAN カードの IP アドレス
    プライマリ DNS192.168.0.1
    ※ICS モードで動作するときの WLAN カードの IP アドレス
    省電力モード有効
    ※どちらでもかまわない
    認証方式Open System
    ※デフォルト

    これで一度接続してみてください.
    ここまでの設定の状態では,WLAN カードとネットワーク的に繋がりませんが,NIC レベル (?) では繋がります.
    とりあえず,CLIE のネットワーク設定で「接続」ボタンを「ぽちっとな」と押して繋がるか確認してください.

    ここで繋がらなければ WLAN と CLIE の設定を見直してください.
    # 繋いでおかないと ICS モードに出来ないので,意地でも繋げてください

  4. いよいよ CLIE 用ルーターを ICS モードに設定
    CLIE と CLIE 用ルーターが Adhoc で接続されていると,WLAN カードの接続アイコンの赤×が外れます.
    # 場合によっては,繋がってもないのに赤×が付いていないものもあります.

    この状態を確認したら,NIC 側のプロパティで ICS 設定を行います.

    1. 「共有」タブで「この接続でインターネット(略)」にチェックを入れる.
    2. 下にある「ローカルネットワーク」選択ボックスで WLAN カードを選択.
    3. 「OK」ボタンを押すと,「IP アドレスが 192.168.0.1 に固定されるけど良いか?」と問われるが,そのまま先へ進む.
    4. しばらくするとウィンドウが消えるので,ここで ipconfig コマンドで確認.
      # 結構時間かかる場合有り

    ポイントは「WLAN カードに IP アドレスが割り当てられているかどうか」.
    もし割り当てられていなかったら 1. からやり直してください.

  5. NetFront でインターネット参照を行ってみる
    恐らくネットワークが繋がったままのはずなので (繋がってなかったら繋げてください),NetFront で LAN 無いの Web や,インターネット上の Web が閲覧できるかを確認してください.
    接続できなければ 3分ほど延々と接続待ちを行うので,待てない人はソフトリセットしてください.
    失敗したら 1. からやり直すのが一番の近道デス.

これで無線 LAN AP が無くともネットワークに参加させられます.:)


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