Replace Optical Drive - Panasonic UJ-815A
 光学ドライブの交換 - Panasonic UJ-815A 編
バナー

純正は高い!!

「純正」。
それは黒い ThinkPad にとっては無くてはならないもの。
純正じゃないと色が合わず浮いてしまい、せっかくの斬新なイメージの ThinkPad のデザイン的統一が崩れてしまう。

しかし純正は高い。
普通の CD-ROM ドライブでも \9,000、マルチ・スーパーマルチ・マルチバーナーにいたっては軽く 2万円を越えて 4万円以上になるものもある。

正直こんな値段じゃ買えやしない・・・。

社外品は?

そこで登場するのがサードパーティ製ドライブ。
純正のドライブをよく見てみると、なにやらステーが両サイドとリア部分に取り付けられており、いかにも「外せますよ」と言わんばかりのネジがある。
このネジを外して 3つのステーを取り外すと、なんの事はない、極普通の一般的なスリムドライブに早変わり。

ということは「その逆もまた真なり」。

という事でサードパーティ製のドライブを使ってみることにした。

今回の材料

今回使ったのは Panasonic 製の UJ-815A。
これを選択した理由としては以下の通り。
  • DVD+R/RW なんざ使わない
  • 安かった (\9,980)
  • スロットイン
  • この値段でなんと RAM 対応

しかし、良い物にも必ず欠点があり・・・

  • 書き込み速度が遅い → R=x2、RW=x1
  • DVD+R/RW に未対応
書き込み速度が多少遅いものの、それを上回る機能的・値段的なコストパフォーマンスが良すぎ。

ちなみに今回使っているのは UJ-815"A" だが、現在市場に出ているものは "B" のようだ。

注意点

まず当たり前のことだが「改造は自己責任」で。
動かなかったり壊れたりしても当方は一切関知しない。

マスター/スレーブの設定を間違えないこと・・・というかドライブのファームウェアで固定されているのでどうにもならないが。
ThinkPad のウルトラベイデバイスはプライマリ・マスターでないと CD-ROM ブートが出来ず、またホットスワップ (デバイスの取り外し) も出来ない。
UJ-815 系はファームウェアでマスター/スレーブ/ケーブルセレクトが決められているので、以下のどれかの方法で設定を行わなければならない。

  • ピンで変更する
    ThinkPad が要求するのは「マスター」なので、もし組み込み後にマスターとなっていなければ 47-48 pin もしくは 47-45 pin をショートする。
    # 47pin を GND に接続できれば OK。
    もしショートしても変わらないようであれば 47pin を使えないように何らかの手段でマスクする。
    一般的には爪楊枝か針で突っついて奥に引っ込めてしまうようだ。
    # あのピンはパターン印刷ではなくピンがプラスチックに刺さっているだけなので、ぐいっと押し込めば引っ込む仕掛けになっている。

    へたをすればドライブそのものがハードウェア的に再起不能になるので慎重に。

  • ファームウェアで変更する
    ファームウェアで設定されているならファームウェアを書き換えれば良い。
    しかしそのファームは手にはいるのか?となるが、実は The firmware page に置いてある
    ここの「PC firmware」の TZJM (Master) / TZJS (Slave) / TZJ+ (CSEL positive) / TZJ- (CSEL negative) を使用する。
    # "Windows flash utility" は残念ながらまともに動作しないというかドライブを見つけられないようだ。
    MS-DOS で起動し、付属のファームウェア書き込みツールで書き込めば OK。
    UJ-815 用となっているが、UJ-815A に使用しても UJ-815A のままになっている。

    へたをすればドライブそのものがソフトウェア的に再起不能になるので慎重に。

  • 交換してみる

    実際の交換手順は以下の通り。

    1. ドライブとマスター/スレーブの確認
    まずはドライブがどんなものかを確認しよう。

    Panasonic UJ-815A こんなのです。
    ライターソフト付き。

    マスター/スレーブの確認は現在使用しているドライブの状態を確認する。
    ドライブのリプレースは「電気的に元の状態と同じようにする」事が前提なので、ここでマスター/スレーブの確認をしておき、交換し終えた後に変わりがないかを再確認する。
    確認はデバイスマネージャで行うこと。

    2. 旧ドライブからステーを外す
    UB2k に取り付けるためのステーを旧ドライブから拝借する。
    # でないと UB2k に取り付けられない。

    これはただ単に旧ドライブからネジ 6本を外してひっぺがえすだけ。
    取り外す順序は 後ろ→両サイド の順。
    ちなみに両サイドのステーは両面テープで固定されているので折らないように気を付けること

    また、取り外すときに金属板バネが落ちるので気を付けること。
    比較的大きな板バネなので見失い事はないが念のため。

    3. ステーの加工
    残念ながらそのまま移植するだけでは取り付けられない。
    ステーを UJ-815A に当てがってみるとわかるのだが、両サイドステーのぽっちが邪魔になる。
    ということでこれをカッターで切り飛ばして終わり。
    片方 2カ所ずつあるので全て飛ばしておくこと。

    4. ステーの取り付け
    加工の終わったステーを UJ-815A に取り付ける。
    板バネを取り付けるのを忘れずに。

    5. ベゼルの取り外し
    ベゼルの加工をしなければならないので、まずはドライブからベゼルを取り外す。
    ベゼルは 6カ所の爪でドライブに固定されているが、このうち 1カ所だけ外側からつつくことが出来ないので、この部分を支点にして取り外しを行う。

    爪 #1 ドライブの裏から見たところ。

    爪 #2 ドライブの表から見たところ。
    緑の丸で囲んだ所に隠し爪有り。

    爪 全部 ベゼルの爪を見たところ。

    6. ベゼルの加工
    今回一番の大仕事。
    以下の写真を参考にして切断を行う。

    切断ライン 緑色の線に沿って切断する。
    ステーの厚みを考えて切断しないと前から見たときにステーが丸見えになって不格好になる。

    基本的には写真の箇所を切断するだけでよい。
    注意点は「切りすぎないこと」と「固定用の爪を折らないこと」。

    上方向の切断はドライブの厚みに合わせて切断すればよいのだが、横方向の切断はステーまでの部分を切断する。
    間違ってドライブ横の壁まで切断してしまうと、前から見たときにステーが見えてしまい格好悪くなってしまう。

    切りすぎた・・・。_| ̄|○ そしてこれが切りすぎたベゼル。_| ̄|○

    固定用の爪は細い物もあるので折ってしまわないこと。
    折ってしまうとベゼルがぶらぶらになってしまう。

    加工が終わったら元のように取り付ける。

    7. 本体に取り付け
    UB2k 用ドライブになった UJ-815A を UB2k に取り付けてみる。

    UB2kに取り付けられたUJ-815A こんな感じになります。

    Windows 起動時に挿入していると少ししてから新規デバイスが検索され、ドライバが自動的にインストールされる。
    ドライバがインストールされたらデバイスマネージャで確認をしておく。
    なお、UJ-815A がスレーブになるような状態で Windows 起動後に差し込むと自動的には認識せず、デバイスマネージャでデバイスの更新をする必要がある。

    デバイスマネージャ デバイスマネージャで UJ-815A が存在するかを確認。

    以下の点をチェックすると良いだろう。

    • マスター/スレーブの位置は純正ドライブと変わりないか。
    • CD-ROM が認識できるか。
    • DVD-ROM が認識できるか。
    • DVD-RAM が認識できるか。
    • CD-ROM で起動できるか。
    • ホットスワップ可能か。

    8. ライティングソフトウェアのインストールと書き込みの確認
    恐らく一緒について来るはずのライティングソフトをインストールする。
    今回付属のソフトは B's Recorder Gold BASIC だった。

    インストールできたら正常に焼けるかを確認する。

    使い勝手とか

    まず一番はじめに orz だったのが、「マスターにするとブートシーケンスに移るまでの時間が非常に長い」事。
    ドライブを抜いたらサクッと起動するのだが、マスターの状態でドライブを入れたままだと BIOS での待ち時間が非常に長く、どうやら 3分くらい待っているようだ。

    メディアの差込はスロットインだけあって激しく楽。
    なにせあの壊しそうなボールバネに押し込まなくていいのだから。
    メディアをそのまますいーっと入れれば、かなり奥まったところで自動的に吸ってくれる。
    ただし、抜差時の動作音がかなり大きいので初めはびっくりするだろうが、こんなもんだろうと気にも留めないことにするのがよい。

    ドライブの抜差は差し込むときに多少引っかかりがある。
    恐らくフロントベゼルのどこかが引っかかっているのだろうが、コツを掴めば問題なく刺せるのでこちらも問題視はしない。

    機能は必要最低限で値段が安く、しかもこの値段で RAM 対応であり、ベゼルの加工も楽なのでこのドライブはかなりお勧めだ。

    参考



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    PHOTO by Canon IXY 300a