PC-9821Xa/U8WにMMX Pentiumを載せる バナー

■注意事項

ここで説明する方法は

「IDE インターフェイスを切り離すことにより Pentium MMX の使用を可能にする」

という,どのマシンでもだいたい通用する一般的な方法です.
BIOS 書き換えで Pentium MMX (以下 P55C と表記) を載せることができるならばそちらにしましょう.BIOS 書き換えができるならば IDE ドライブの使用が可能です.
また,サードパーティ製のインターフェイスカードを使用することで,総 SCSI 化するしか道がない PC でも IDE ドライブの使用が可能です.
今回の初代 Xa のように,BIOS を書き換えることができない場合,総 SCSI 化するか,UIDE-98 や IDE-98 等の外部 IDE インターフェイスを使用することになります.
今回は SCSI カードが余っていたこともあって,総 SCSI 化で MMX 化してみましょう.

■用意する物

Pentium with MMX CPU (P55C)
好きな物を選んで下さい.

電圧変換下駄
PowerLeap PL-Pro/MMX Ver-4.0 または Multimedia CPU Upgrade Kit のお好きな方をご使用下さい.

空冷ファン
安心できるのは山洋のファンなのですが,オーバークロックした場合はコイツでさえ空冷が追いつかないこともあります.規定値で扱うなら山洋で十分です.

■装着手順

1. 前準備 - ひとまず動作実験 (MMX CPU での起動実験ともいう)
この動作確認方法は CPU を破壊するかもしれません.ご注意下さい.

とは脅していますが(笑),私が試したところ全然問題はありませんでした.まぁ,長時間運用するわけじゃないし,最大耐電圧も 3.7V なので短時間実験では問題ないでしょう.
とは言っても,「壊れた.弁償しろ」なんてのは聞きません.自分の責任に置いて実験を行って下さい.

また,チップセットに WildCat を使用している PC では,この動作確認方法はあてになりません.
というのも,CONFIG.sys で EMM386.exe さえ記述していなければ起動してしまうからです (EMM386.exe 使えないから,起動できるだけで実用にならなかったりして(笑)).
猫科のチップセットをご使用の方は読み飛ばしてくださいね.猫科はまた別の方法で MMX 化できます.
(でもいいですよね〜.猫科のチップセットを積んでいるヤツはドライバさえ入れれば IDE 殺さなくていいし)

CPU を交換して動くかどうか心配な人は,友達に借りるなり家族に借りるなりしましょう.
なお,以下にあげる動作確認方法は CPU に少しばかり (少しか?) ストレスを与えます.よって CPU が心配ならばやめておきましょう.

1. [HELP] + リセットまたは [HELP] + 電源ONソフトウェアディップスイッチの設定画面を出します.
ここで「内蔵固定ディスク」の部分を「使用しない」に設定します.

2. 設定画面から抜けて,一度本体の電源を OFF にします.

3. 内蔵 IDE デバイス (HDD,CD-ROM ドライブなど)を取り外します.とは言っても,IDE ケーブルを抜くだけで大丈夫です.

4. 元の CPU を取り外し P55C を取り付け,空冷ファンを取り付けます.P55C は Soket7 ですが,Soket5 にそのまま刺さります
なお,P55C はコア電圧が 2.8V (俗に言うデュアルボルテージ) のため,長時間運用していると最悪 CPU が破壊されてしまいます (コア電圧の最大許容電圧は 3.7V です).
今回のような短時間起動実験の場合はあまり害はありませんが,長時間運用する場合は必ず電圧変換下駄を使用しましょう
ちなみに P54C (Classic Pentium:MMX 機能のない Pentium) はコア部,I/O 部ともに標準電圧 3.3V最大許容電圧 4.6V となっています.

5. 電源を入れて起動します.このとき FDD に起動ディスクを入れておきましょう.

6. FD から起動しましたか?「ピポ」の音もしない場合はソフトウェアディップスイッチの設定で内蔵固定ディスクが「使用する」になっているか確認してみましょう. そうでなければ,P55C に対応していません.交換はあきらめましょう.

7. 起動した場合はひとまずちょっと大きめのプログラムを起動してみましょう.ここでマシンが挙動不審になるならば交換はあきらめた方がいいでしょう.

8. 以上をクリアした場合は,まだ不安が残るかもしれませんが,おおかた P55C は動くと見て間違いないです.

実験が終わったら CPU は返却しておきましょう.(笑)

2. 下駄を使用して P55C 取り付け
PowerLeaf PL-Pro/MMX Ver-4.0 CPU&CPUクーラー装着状態 きちんと動作することが確認できたら下駄を使って P55C を取り付けます.
ここで使用する下駄は,PowerLeap 社から発売されている「PL-Pro/MMX」という物を使用します.
この下駄は PC-98 を MMX 化するときにかなりの割合で使用されている定評ある電圧変換下駄です.
全国の DOS/V パーツ店などで GET できるとは思いますが,確実に GET したいのであれば「シリコンハウス共立」で通販購入しましょう.
ここで申し込みが可能.
PowerLeaf PL-Pro/MMX Ver-4.0

また,東京は秋葉原では,超級電脳で「Multimedia CPU Upgrade Kit」が店頭販売されています(超級電脳ではこのMUCKは通信販売では取り扱っていません.ご自分でお店まで買いに行って下さい). ウワサの「S1」型(I.O 電圧 2.1V 対応)も入荷予定のようですね.
※右の写真は PL-Pro/MMX です.MUCK ではありません.

で,この下駄なんですが,一般的に Ver-4.0 で動作確認がとれているとのこと.Ver-3.0 では不具合が出ている模様.
バージョンの違いは下駄の裏にバージョンが記載されているとのことだが,私の持っている下駄にはそのような記載はない
で,どういう風に見分けるかというと,レギュレーター(写真の中でヒートシンクが付いている物体)が 2個あるものが Ver-4.0 です(右上写真).現地調達できる人はこれを確認してから購入しましょう.

さて.下駄に CPU を載せなければならないんですが,ここで注意.下駄には CPU を圧入する必要があります(たうぜんですね(^^;).装着が甘ければ挙動不審の原因になるのでしっかりと圧入しましょう.
圧入の仕方は・・・

1. 下駄を箱から出した状態,つまり黒いスポンジを履かせた状態にします.

ヒートシンクの取り付け図 2. 付属のクーラーを CPU に付けます.まずはクーラー上部のネジをゆるめ,金色のヒートシンク部が黒いアダプターの底面から出っ張らない程度にひっこめます. あとは CPU の向きに注意して横からスライドさせるように CPU をヒートシンククーラーに装着します.
このときのヒートシンククーラーの向きと CPU の向きは右図を参考にして下さい.
ここでヒートシンク固定つめの向きを間違えると CPU 圧入に苦労します.

3. ヒートシンクを付け終えたら,先ほどの下駄部分を机の上に置いて,下駄の上に CPU を載せます.このとき CPU の向きに気を付けて下さい.
載せたら CPU の上から真っ直ぐ下の方へ力を徐々にかけていき,CPU を圧入します.
このとき,ピンが曲がるんじゃないか?と私も思いましたが,ピン数が多いので (ピン数が多いほど 1本のピンに掛かる力は少ない) そんな心配はありませんよほど変な方向に力をかけない限り曲がりはしません.
とは言っても保証はしませんが.(^^;


各電源コネクタの位置 次に電源の配線です.大きい方のコネクタは,12V 電源に繋げ,下駄の 4ピンのコネクタに刺します.
クーラーの電源は,下駄の上にある小さい 2ピンのコネクタに刺します.
下駄電源供給用コネクタは,下駄をマザーのソケットに固定してからの方が取り回しがしやすいです.

上から観察 いよいよマザーのソケットに刺します.このときも CPU の向きに注意して下さい. 下駄の足が長いのでなかなかうまく入らないかもしれませんが,少しカシャカシャやりながら入れてやるとうまく入ります. あまりにも入らない場合は下駄の向きを確認して下さい.
差し込んだ後は横の固定レバーで CPU を固定し,下駄電源供給用コネクタを下駄に差し込んで CPU 装着作業は終了です.

3. ストレージをどうにかする
MMX 化すると IDE デバイスは使用できなくなります.ディスクを余らすのがイヤなひとは,I.O.DATAIDE-98,もしくは UIDE-98 を使用しましょう.
IDE-98 は C バス用なので,貴重な PCI バスを占有しません.そのかわり設定などにかなり癖があり,CD-ROM ドライブも「建前上」では使えないことになっています (一般的には Win95 でのみ使用可能).
UIDE-98 は PCI バスを使用しますが,刺して起動すればすぐに使えます (NT を使用している場合はディスクのフォーマットが必要です).しかも CD-ROM ドライブが MS-DOS 上からも使用でき,その上 UltraATA 対応です.
UIDE-98 を使うメリットは,

 1,ストレージ製品が SCSI に比べ,安い
 2.使っていた IDE ドライブが使用できる

です.
1世代前の現在 IDE-98 を使用するメリットは,「PCI バスを使わないので SCSI カードやグラフィックカードを刺すことができる」以外ないと思います.(^^;

4. PCの起動とトラブルシュート
配線を確認後,パソコンの電源を入れます.

運良く「ピポ」と鳴り,OS が起動された方はおめでとうございます.OS が入っておらず,インストールする場合は作業を初めて下さい.
運悪く起動しなかった方は早速トラブルシュートしましょう

こちらをご覧下さい.

なお,MMX化についての参考資料などはこちらにまとめてあります.

■MMX 化リポート その1

※一部読みやすいように改変しています.ご了承下さい.

報告者名:ノビヤスさん
e-mail:nobiyasu@pop11.odn.ne.jp
WebPage:Not found.
使用機種:PC-9821Xa/U8W



交換したもの:CPU のみ.P54C-90MHz → P55C−233MHz (210MHz にて稼働中)
付け加えたもの:UIDE-98 (I.O DATA)
使用下駄:PL-Pro/MMX (PowerLeap)
速度計測ソフトウェア:HDBENCH Ver-2.292

計測は三段階で計りました.なお,今回買ってきた P55C-233MHz はクーラーつきです.
それと,下駄の中にクーラーが入ってました.(^^;
(編集部注:これはリテールパッケージ版を買ったのですね)

予定していた下駄がどこを探してもなかったのでこれにしました.ちなみに,説明書からすべて英語です・・・.(^^;

クーラーつきだったので熱伝導両面テープは不要でした.

ベンチマーク結果 (旧どるこむ基準)

セクションベンチ値
ALL8866
浮動12097
整数12857
矩形18511
6262
テキスト9198
スクロール103
DD30(8bit) / 20(16bit) / 1(24bit)
READ5531
WRITE5431
CACHE9803

●動作環境
CPU:P55C-233MHz (60MHz x3.5 = 210MHz で稼働中)
計測HDD:BUFFALO DBI-N3200 (内臓)
     I.O DATA UIDE-98 接続
グラフィックボード:I.O DATA GA-PGDX4/98PCI
計測基準:1024x768 65536色 (16bit)
OS:Win95 4.0 (Build:950)
Family Model Step(5,4,3)
Memory
Total:153178112 Byte
Free:82673664 Byte
(MagneRAM 使用により Memory の値は不定期です)

以上です。 それにしても CPU の詰め換えには手を焼かされました.(^^;
UIDE-98 の接続まではすんなり行ったのですが・・・.
CPU 交換で電源入れても音が鳴らなかったので,少し自暴自棄になりかけていました・・・(^^;
(編集部注:おそらく CPU がしっかりと刺さっていなかったのでしょう)
なにはともあれ無事に事無きを得ました.
ちなみに,HDBENCH の値はそれぞれ計測 2回目です.



MAGNARAM を外して計測していれば 10K オーバーはいっていたかもしれませんね.
お疲れさまでした.

■参考資料

Oh!PC 1998/2/1 別冊付録 「PC-98 MMX化計画 −決定版−」
Go! Oh!PC WebPage.

PowerLeap PL-Pro/MMX 取扱説明書
Go! PowerLeap WebPage.

intel P54C データシート
Go! intel WebPage.

intel P55C データシート
Go! intel WebPage.

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