2015/05/11
スズキ ハスラーに試乗(?)してみた
ゴールデンウィークに 556km ほどスズキ ハスラーをレンタカーで試乗してみた。
借りたところはトヨタレンタカー 東生駒店。
トヨタレンタカー奈良の枠で軽自動車も扱っており、丁度ハスラーがレンタカーとして貸出可能になったそうなので借りてみたってわけ。
グレードは G で HID オプション付きの NA 二駆。

走った経路は枚方市内の R168 → R163 → 阪奈国道で奈良市内へ → R24 → R169 → R309 で海岸沿い → R42 → 串本のさきっちょ 1周 → R42 → 南紀田辺 IC → 大東鶴見 IC → R1 バイパス → 生活道路で自宅 → R163 の清滝峠経由で東生駒のレンタカー会社、の山あり谷あり高速有りワインディング有りと、かなり多岐にわたった道路事情のためインプレッションには最適だ。



最近の軽で NA はどこまでやれるのか?という興味があったが、まず「ターボか NA か?」という疑問に関しては
一般道を追い越し無しに走り、高速もずっと走行車線を走るのであれば全く問題無い。
と感じたほどのなかなかの健闘具合。

流石に R163 の清滝峠上りでペースが速いときの追い越しなどは辛いが、それ以外は全く問題無し。
というのも、副変速機のロー側で 6,000rpm (レブリミット) だと 80km/h くらいまでしか出ないが、副変速機のハイ側で更に追い越しをしようとアクセルを少し緩めてハイ側に変速し、そこから加速しようと少し踏み込むとすぐにロー側に切り替わってしまうのでそれ以上加速が出来ない。
ターボ仕様だと恐らく変速制御でハイ側で踏み込んでも変速せず更に加速出来るのだろうが、NA ではそうもいかない変速制御のようだ。
そのため、流れの速度によっては簡単に追い越しできたりできなかったりと様々だが、追い越しを余り考えなければ問題無い。

高速では余裕で 100km/h を維持できたので少なくとも走行車線を走っていて邪魔に思われる事は無いが、ひとたび追い越し車線に飛び出ると起伏の状態によっては邪魔になってしまう場合も有る。
一応追い越し車線で 120km/h は出せることを確認しているが、それも平地の場合。上りになるとやはりちょっとしんどかったので先を見ながら追い越し車線に入るか否かを考えながら走る方が良いだろう。



発進時のもたつきは言われる通りかなりもたつくが、一般国道で信号が青になってからのスタートであれば全く問題はない。
むしろ問題が有るとすれば対向車がある右折の時にさっと渡れなかったり、左折の立ち上がりが予想以上にもたついてイラッとしたりなど、ここぞという時にきびきびと動かないのがストレス。

この症状は副変速機が燃費を稼ぐためにかなり早い段階でハイ側に切り替わってしまい立ち上がりが悪くなるためのようだ。
これについてはシフトレバーに S モードボタンが有り、それを押すことで副変速機の変速タイミングを任意で決められる (ON にするとロー固定)。
S モードの時の出足はそうでない時に比べて雲泥の差だ。もたつきが気になる人は是非利用しよう。
ただ、S モード OFF のアクセル制御になれてしまうと ON にしたらがっくん発進になるので要注意。



ブレーキングについては効き始めのストロークがかなり長く、今までの車と同じようにブレーキするとたぶん衝突する、というか頭ではわかっていたが実際やってみると思った以上にストロークが長く、レンタカー会社の駐車場から出た先のブレーキングでちょっと危なかった。
具体的には踏み込んでからパッドがディスクに当たるまでは似たようなものだが、そこから実際に制動が効き始めるまでのストロークがかなり長い。
初めて乗る人は「いつもよりかなり多めに踏み込む」方が良いだろう。
ただ、制動力に関してはこのクラスの自動車をきちんと止めることが出来る力があるので、しっかり踏み込めばちゃんと止まります。

スピードコントロールも意外と行いやすくて問題無し。
踏んだ感じはなんか安っぽいがそこはそれ。



アイドリングストップについては正直言って鬱陶しいの一言に尽きる。
というかメーカー各社はなぜ N に入れてサイド引いてブレーキペダルから足を離したらエンジンスタートするんだよクソが!!N になっててサイドも引いてるんだからエンジン止まっとけよ!!!

ブレーキペダルを踏みっぱなしにしないとアイストが効き続けないのはどのメーカーでも共通のようなので仕方が無いとして、13km/h 以下でエンジンが止まるというのはちょっと勘弁して欲しい。その間単に空走してるだけなのでブレーキをアイストが効く範囲内で緩めても進まず、かといってそれ以上緩めるとアイストがオフになってエンジン始動、そのあとブレーキを強めに踏むとエンジンが止まると非常に鬱陶しい。ここらへんの制御は速度ゼロかつブレーキを強く踏み込んだ時点でエンジンを切るようにしてほしかったところだ。
また、Dio110 の AGC スターターによるアイドリングストップと始動を日常使用しているため、再始動にもたつきを感じられてストレスになる。
かといってアイドリングストップしないとなんか勿体ない・・・というわけで S モードボタンを使用してこのあたりを自分なりに改善した。

まず、両方に同じ条件だがブレーキを踏みっぱなしにした状態で・・・
  • S モードを ON にしているとアイストは効かない。
  • アイスト中に S モードを ON にするとアイストが解除 (再始動) される。
これを逆手に取り、再始動のタイムラグや一時的なアイスト解除を簡単に行うことが出来る。

タイムラグ解決については、再始動したいちょっと前 (例えば信号が青になる直前など) に S モード ON にするとエンジンが再始動するのでアクセルオンしたいタイミングで発進できる。この時出足をゆっくりしたいなら S モードを OFF にして出足をマイルドにするが、タイミングとしては
S モード ON → アイスト解除 (再始動) → ブレーキから足を放すと同時に S モード OFF → アクセルオン
でゆったりした出足を実現できる。

また、停止直前のアイストについては
停止の少し前、13km/h になる前で S モード ON (アイスト抑制) → 止まる直前に S モード OFF (アイスト許可) → フルブレーキ
とするとギリギリまでエンジンのトルクを活かしたまま停止とアイストができる。

S モード ON でアイストが OFF になるという利点については、例えば右折待ちの時に S モードを ON にしておけば、完全停車中もアイストが抑制され、ここぞというタイミングで発進できるため非常にありがたい (副変速機がロー側固定で出足が軽いという利点も有る)。特に大都市の主要道路では切れ目無く対向車が来るため、ちょっとしたスキにさっと出なければ渡れるものも渡れない。

ハンドル右下のアイストボタンを押せばアイストの ON/OFF が出来るが、いちいち手探りでないと分かりづらいボタンを押す、かつトグル制御なので「普段はアイスト使いたいからいちいちオフにするのもちょっと」という時にこの技はかなり使える、というか使えた。
この仕様にしてくれたスズキは偉い!
ただ、アイストの制御だけはもうちょっとマシにしてください

単にアクセル踏んでブレーキ踏むだけの操作に比べれば煩雑だろうが、日常からシフトレバーをガチャガチャやってる上に思考しながら運転できるのでこれはこれで楽しい。



HID の明るさについてはかなり良い。
真夜中に R169 の山間部を走ったが不安になることは全くなかった。
HID オプション付きだとオートライト機能も有るので、昼間のトンネル突入時などに勝手にライトが光ってくれるので楽。
また、電源オフにするとヘッドライトもオフになるので日常はもうずっと AUTO にしておいたほうがいいんじゃない?的な。



乗り心地については 1人乗車でしか試していないが、硬くもあり柔らかくもあり。
細かいバンプはかなり拾ってしまうがそれなりのバンプはそれなりにいなす。しかし大きなうねりとなると収まりがつかないが、こちらについては中低速では問題無いが高速域で顕著。

「硬い」については恐らくちまたで言われている空気圧 2.5 が影響しているようで、小さなギャップをごつごつと拾う。
これについてはタイヤの空気圧を 2.3 くらいに落とせばマシになるようだが、燃費も若干悪くなるのでどちらを重視するかによる。なお、タイヤの空気圧を下げる以外に解決策は無い模様。

「柔らかい」については大きな連続したうねりに乗るとリアがぼよんぼよんして落ち着かない。ちまたで言われている「リアサスの減衰が弱い」というのが原因だろう。この現象については特に後ろ足が顕著、というか前足については全く分からなかった。
中速域ではあまり影響は無いが、敏感な人だとぼよんぼよんしたところで酔う可能性がある (実際酔ってる人も居る)。
問題は高速域で、例えば高速道路のカーブでこのぼよんぼよんが発生した場合、速度によっては明後日の方にすっ飛んでいきそうな感じがする。
というのも、長周期振動がびしっと収まってくれれば良いのだが、それが収まらず結構長い間振動する。車体が一旦沈み込んで伸び上がるところで普通はそのままスッと落ち着くのだが、そのまま減衰無く伸び続けようとするため、荷重が抜けてグリップを失い外側に飛んでいきそうな感じがする。
速度で言うと 100km/h までは特に問題は感じられなかったが、120km/h で曲がってみるとこれがもう生きた心地がしないので、出来れば 100km/h までで抑えたいところ。

このふわふわ感だが、後ろ足を KYB の NEW SR SPECIAL for ハスラー (水色) に交換すると劇的に改善するとのこと。
お値段も1.3万円くらいと安いので、ふわふわ感に困っているならば交換を考えた方が良さそうだ。
# ちなみに KYB からは ローファースポーツ (黄色) というものもあるが、これはダウンサス (車高下げ) - いわゆる「下げラー」用。
# # さらにちなむと車高上げ、いわゆる「上げラー」の場合はちょい上げスプリング+ソリオかジムニーの純正ショック (ちょっと長い) 流用がセオリーの模様。



視界について。

乗った瞬間の第一印象は左右や前がもの凄く見えやすい
比較的切り立ったフロントウィンドウでエンジンルームも短めなので広々感。
しかし切り立ったフロントウインドウは虫に対して容赦せず、次々と殺戮を繰り返すばかりだった。
また、頭の位置よりもルーフが前の方に出っ張っているため、停止線で止まっても信号が見えないときが多々有ってこれはちょっと困った。(笑)
前方と左右の視界は良い物の上方視界に多少難有りといったところか。

話によく聞く A ピラーについては、角度が立っているため言うほど邪魔ではなかったよ。

後方視界については、今のところリアウィンドウを塞ぐほどの大荷物を入れてないから判断は出来ないが、少なくともリアウィンドウを見通せるならバックカメラは不要。
後輪軸からハッチバックまでの距離が短い、かつドアを開けてタイヤの位置を把握しておけば後ろ向き駐車は余裕。
また、後ろの窓が縦方向に意外と広いので下方視界も良好。
昔のセダンをバックカメラ無しで車庫入れするに比べたらチョー余裕、とは親父との意見が一致。(笑)
# 昔はバックカメラなんてありませんでしたよ?



インテリアは色々。

ベンチシートはささやかながらエラがはっているがホールドしているという感じはない。タイトコーナーが連続するワインディングでは体を安定させるのが大変。この時は左膝をコンソールサイドウォールに押し当て、体をシートに押しつけて対処していた。
座り心地は適度な硬さでケツが痛くなることはなかった。柔らかすぎるのも考え物ですよ。

助手席と後ろ席を倒すとフェザークラフト ウィスパーを鯖折りしたらギリギリ入る長さ。広くはないが狭くもない。
助手席を上げた状態で後ろ席だけ倒すとウィスパーを収納したザックが丁度ぴったり入る長さ。横の幅も片方の後ろ席を上げておくと丁度挟まれる形になる。
フォールディングカヤッカーがハスラーを使うなら後ろ席は片方を寝かせるだけで良いだろう。
ワンピースパドルについては・・・うん、ちょっと無理なんじゃないかな?
2ピースならそこらに投げておけ!

リアシートはスライド幅 16cm と聞いていたが数字ほど動いてる気はしない。
というかこれしか動かなくて何になる?という感じ。

シートポジションは自分の体の場合だとポジションを合わせてもあっちが立てばこっちが立たず。
具体的にはシートポジションを足に合わせるとハンドルが遠く、ハンドルに合わせると足が近い。
足が長いから困るわ〜ホント。
ハンドルにスペーサーリング入れられるなら是非とも入れたい。

ステアリングの重たさはちまたでは軽いと言われているが、回してみるとこんなもんじゃない?といった感じで軽すぎるとは思わなかった。
コーナーリング終了時の切り戻しでもハンドルから手を離すとするすると戻ってくれる。
むしろハンドリングはクイックな感じがする。普段はヴェルファイアに乗っているがアレと同じ要領でハンドルを切ると切れすぎる。

シガーソケットは設計した担当を呼べ!!(海原遊山)レベル。
膝が当たって時々接触不良を起こしていたぞ!
あれは頭の低いジャックをつっこんで延長した方が良い。マジで。
もしくはインパネ開けてコネクタ結合されてるならそこから分岐させてハンドル横のソケットは封印。
後ろのソケットは使ってません。

収納ポケットが沢山有るのは良い。飲み干したペットボトルがあちこちに・・・。(笑)
これと関係するが助手席の収納式買い物フックは地味に便利。
車内でゴミが出たときのために毎回シフトレバーやセンターコンソール付近にゴミ袋をぶら下げているが、そこにぶら下げることが出来るのでシフトレバーの邪魔にならない。
世の中の車メーカーはアレを採用すべき。

カーナビは残念ながらあの不評なナビではなくトヨタ純正ナビだったため評価せず。
まさかの BT 無し、SD カード音楽未対応で TORQUE G01 のスピーカー頼りだったがな!!!
# 軽自動車だからって舐めすぎ。ETC も無かったし。



燃費については 556km を走ったが 27L タンクで残り 2メモリほど。
行きは下道帰りは高速だったが最終的な燃費は 23km/L となかなか健闘している。
アイドリングストップは確か全行程で 30分くらいだったかな?あまり使ってません。



他にちょっと気になったところ。

開放口が無い状態でドアを閉めると屋根が ぼこん! と膨らむのは仕様?(笑)
あれは正直びっくりしたぞ。そこまで薄いのかと。
試しに押してみたらベッコベコ。

ドアを閉めようと普通に閉めたら閉まりにくいときがあったが・・・。

例の水漏れに関しては雨が降っていたが漏れた形跡は無し。
また、屋根に雨が当たってうるさいという点も気がつかなかったが、雨が比較的弱かったので気がつかなかっただけかもしれない。



長距離を頻繁に走るなら軽はやめて登録車にしておけ、という意見はよく聞いた。
どの程度から長距離と言えるかはわからないが (恐らく 1,000km 越え)、1泊2日ながら 556km を走っても苦痛ではないどころか小回りが利いてヴェルファイアに比べれば天国だったし、高速道路でも左を走るなら問題無い出来。
# 1泊2日なら 1日 250km 程度だから中距離、かな。
個人的にはやっぱりターボかな、と思ったが NA でもなんとかなると言えばなる。
エクステリアやインテリアはちょっと安っぽさも感じるけど、言い換えればポップでカワイイ、下手に高級感を出してないのでアンバランスでもない。そして気兼ねなくアウトドア仕様として使えるのが良い。
そんな車でした。

自分の車になったら車内は即傷だらけになるかもな〜。(笑)


  • SARAYA:ハスラーに「S-エネチャージ」車が追加らしいですな
    安く買うのに新古車等も探してみるのもよいかもですね
  • G兄:と思って探してみたんですがGターボ+HID OPって近畿+三重まで見てみましたが全く無いようで…。
    Sエネ茶はターボに設定が無いので残念!
    というわけで先日9日頃にGターボ+HID OPの水色ツートンの見積もり貰ってきました。
    銀行の審査がOKだったらそのままハンコ押してきます〜。
  • たわし:・・・最近出たのかも知れないけど、ありました(ぉ
    http://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU3608923102/index.html?TRCD=2(略)
  • たわし:これは愛知ですが
    http://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU3605845836/index.html?TRCD=2(略)
  • G兄:あ、忘れてた。白青ツートンが欲しいのです…。
    でもそれら、自分が今見積もり貰ってる分からオプションを省くとそれよりも高いってどういう…。
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備忘録
  • 無し
物欲リスト
  • Canon RF50mm F1.2L USM
  • SIGMA 20mm F1.4 EF Art
  • ニンバス チヌーク
  • OCB-1 ST II
ツーリング ドライブ兼野外撮影予定リスト