今日も SAI のインプレ。
個人的には一番よく使用すると思われる「ペン入れレイヤー」について。
先日も書いているが今日はちょっと詳しく。
ペン入れレイヤーは通常のレイヤーとは違い、ベクタ線を使用して線を引く。
これが写真屋とは大きく違うところ。
ベクタ線を使用すると、線の太さを後から自由に変更できたり、色を好きなように変更できたり、SAI の場合は入り抜きの表現をマウスのクリックだけで表現できる。
それを使ってみたのが上の SS だが、上の画像は消しゴムを使っていない、というよりもペン入れレイヤーでは消しゴムが使えない。
写真屋だと入り抜きや強弱を綺麗に表現しようとすると、線を消しゴムで削って細くするという手法が採られるが、線の強弱の表現は非常に面倒で、綺麗な表現にならないときもある。
SAI でこのペン入れレイヤーを使用すると、そんなこともかなり簡単にできるので非常に重宝している。
なお、制御点 (上の SS で表現すると緑色のポイント) を移動させて線をぐにゃぐにゃ曲げるわけだが、そこそこのマシンパワーがないとかなりきついような気がする。
SAI を使用している PC は Sempron 3100+ だが、これでもパワーが足りないと思うほど動きが鈍い。
ただ単に画像サイズがでかすぎるのかもしれないが・・・。
次に重宝しているのが画像の回転。
1度単位で回転ではなく何故か 11度単位での回転になるが、この回転がちょ〜〜〜〜速いというか爆速。
実際に画像の回転を行っているのではなく「見た目」を回転させているに過ぎないのだろうが、人には「線を引きにくい方向」というのがある。
この引きにくい方向に対して線を引くと、いつもガタガタになってしまう線が今度はひょろひょろになって目も当てられない。
そこで画像を回転させて自分の引きやすい方向に回転させるわけだが、写真屋では 90度単位で回転させないと線が劣化して使い物にならなくなる。
しかし、SAI はそのようなことはなく、画像をいくらぐるぐるぐ〜るぐる回しても画像の劣化は起こらない、しかも速い。
こうなると、自分が苦手な方向に線を引く時も、気軽に画像を回転させて引きやすい方向に出来る。
この回転機能のおかげで今まで苦手だった方向への線引きも非常に楽に行えるようになり、ストレス無く線を引くことが出来た。
SAI の動作は全体的に軽く、そこいらのペイント系アプリケーションよりも遙かに軽い。
実際にこうして絵を描いているのだが、比べるのはちょっと酷だが写真屋よりも軽い。
写真屋でエアブラシを使用すると、時折少し引っかかった感じになるときがあるのだが、SAI ではそのようなことはなくサクサクと色を塗ることが出来た。
ただし、全体的な動作を軽くするために、不要と思われる機能は徹底的に削られており、たとえば印刷機能は「写真屋に任せる」という理由で削られていたりする。
これは、「他のアプリケーションと連携できるような (あえて SAI に持たせる必要がない) 機能は徹底的に削る」というコンセプトのようだ。
まぁ実際に絵を描く中で印刷することは少ないだろうし、PSD で書き出して写真屋や Paint Shop Pro などにもってって印刷すればそれで事足りるのだから、印刷機能が無くてもどうということはない。
ただ、一見便利そうに見える SAI にもまだまだ未実装な機能が数多くあり、現在最も要望されている、写真屋との連携を取るべきファイルフォーマット「PSD 型式」をサポートしていない。
将来、有償にしたときに対応すると中の人は言っているが、正直先にこれだけでも実装していただきたいと切に願う。
また、SAI が使用するセーブ形式「SAI 型式」だが、数枚のレイヤーにもかかわらずファイルサイズが非常に大きく、上の SS の絵では 24MB になっている。
保存にも少々時間がかかるようだが、このあたりは「保存できるだけでもマシ、ファイルサイズは HDD の大きさでしのげ」ということであまり重要視はしていないが、レイヤー構造をそのままに出来る PSD 型式に未対応というのは正直、非常に残念だ。
なお、BMP 型式には (レイヤー構造や透明部分の情報は失われるが) 書き出すことが出来るので、写真屋などで色を塗る場合は主線を一番上に置いた状態で「乗算」モードで重ねるほか無いだろう。
まだコアモジュールテスト版という、一見、非常に不安定じゃないのか?と思われる状況にありながらもその動作は安定しており、絵描きにとって楽で便利な機能が搭載され、そのうえアプリケーションとしては動作が軽快ということもあり、「ペイント系」「ドロー系」という垣根を越えたいろいろな人達が使用しているようだ。
実際自分は「ペイント系」になるのだが、ドロー系とペイント系が組み合わさったこの SAI を使い慣れてしまうと恐らく "線を引く" という作業は SAI から離れられなくなるかもしれない。
塗り (ペイント) に関してはまだ線を引いている段階なのでなんとも言えないが、少なくとも某所を見ている限りでは悪くはなさそうなので、一度塗りも試してみることにする。
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