2017/08/15
電波式ワイヤレス多灯の選び方
電波式ワイヤレスストロボはいくつかのメーカーが対応しているが、その中でも
  • カメラボディメーカー以外のもの
  • 当方が興味のあるメーカー
  • 技適認証済み
な品を挙げてみようと思う。

凄く長いので畳みます。

まずお琴割りお断りしておくが、Cactus を使用しているため Cactus 目線の評価になっているが、「だから Cactus は最高なのだ!(アライさん」ではなく、各社それぞれ設計思想というものがあるので一概に何処が良いとは言えない。自分の目的に合ったものを選ぶようにすること。

また、最終的な機能の内容については「これ!」と決めたら対応・仕様内容を熟読すること。意外と罠があったりする。本記事を鵜呑みにはしないように。



現時点では
  • Cactus V6/V6II/RF60/RF60X
  • Nissin Air1/AirR/Di700A/i60A
  • GODOX X1/V860系/AD360系など
がメジャーどころか。

各メーカーの特徴を 1行で書くと
  • クロスブランドが売りな Cactus。
  • TTL 多灯が手軽に出来るのが売りなニッシン。
  • 自社のストロボが変態的個性的なのが GODOX。
になると思う。
「クロスブランド」とは「1つの親機または子機が複数のボディブランド (メーカー)・ストロボブランド (メーカー) に対応している」こと。
# これは現時点では Cactus のみなのでクロスブランドで使う場合は Cactus しか選択肢がない。



▼各メーカー比較表

それぞれを比較しやすくするために表にしてみた。

機能↓Cactus
V6
Cactus
V6II
Nissin
Air1
Nissin
Air10s
GODOX
X1
ボディ側クロスブランド対応
※親機が1つだけで全てのマウントに対応

※親機が1つだけで全てのマウントに対応
※V6IISのみ櫛形端子の関係でSONY限定
×
※ブランドごとに必要
×
※ブランドごとに必要
ストロボ側クロスブランド対応
※1つの親機・子機で複数のマウントに対応
×
※ブランドごとに必要
※ボディ側純正メーカーのストロボに限られる
×
※ブランドごとに必要
※ボディ側純正メーカーのストロボに限られる
TTL対応 ×
※X-TTLファームウェアで対応
調光ステップ TTL: 無し
M: 1/3EVステップ
TTL: 無し(X-TTLファームで1/3EVステップ)
M: 1/3EVステップ
TTL: 1/2EVステップ
M: 1EVステップ
TTL: 1/3EVステップ
M: 1/3EVステップ
※i60Aのみ。Di700A・AirRの場合はAir1と同一仕様
TTL: 1/3EVステップ
M: 1/3EVステップ
HSS・FP対応 ×
※V6IIが親機の場合のみ
※HSS未対応の富士フイルムボディで対応機種であればクロスブランドでHSSが利用可能

※HSS未対応の富士フイルムボディで対応機種であればHSSが利用可能
後幕シンクロ
※ストロボ側で遅延タイマーを設定することにより実現

※キヤノン用のみ未対応
コマンダーのメーカー純正ストロボの有無
※RF60(廃番)、RF60X

※同社 Di700、i60などNAS対応ストロボ

※同社 V860、AD180などXシステム対応ストロボ
サポート 国内代理店有り(ImageVision)。
日本語マニュアル有り。
ただし香港HarvestOneに直接問い合わせた方が詳しい。
ファームアップデートの案内は本国の方が早い。
安心国内サポート、というか国内メーカー。 国内代理店有り(KPI)。
日本語マニュアル有り。

▼各メーカーの特徴

各メーカーの特徴を挙げてみよう。
Cactus
クロスブランドが最大の売り。

他のコマンダーに比べて対応ブランド数が多く、1つの V6/V6II で複数のボディ(マスター/親機)・ストロボ(スレーブ/子機)ブランドに対応したクロスブランドとなっている。
また、親機は子機にもなるので購入の際は迷うことがなく、複数のボディ・ストロボブランド持ちの人にはお財布的に優しい仕様。
ただし子機が親機と同じということは値段も親機と同じなので、子機を複数買うと地味に辛い

対応ボディブランドはなんと SIGMA にも対応しており、対応ストロボブランドはボディブランド純正ストロボだけでなく、GODOX やニッシン、メッツなどストロボ専門メーカーのストロボも対応リストに入っているものに関してはスレーブとしてメーカー混在で使える。
プロファイルエディタでプロファイルを自作すれば対応リストに無いストロボも使えるようだがハードルが高い。
# そもそもプロファイルエディタの使い方がよくわからない。

標準仕様では TTL が使えないが、X-TTL ファームウェアを焼けば V6II が対応している様々なストロボをクロスブランド状態で TTL が使えるようになる (例えばキヤノンボディでニコンのストロボが TTL で使える)。頭おかしい
ただし親機側はボディブランド限定になるものの、ファームを焼き直せば元のボディ側クロスブランド対応に戻すことも可能。
問題は X-TTL ファームは 2017年8月末現在、富士フイルム・シグマ・ソニー用のファームしか用意されていないこと。

HSSが使えない富士フイルムのカメラでも ForceHSS により HSS が可能なチート機能を持つ上に、クロスブランドで HSS が使えるのも強力な利点。

なお、V6 無印 (2型ではない) は先進機能が無いので、違いがわからない人は若干安くて手が出そうになるが手を出さないように。
HSS とか X-TTL とかデジタル制御なストロボ (顕著な例ではオリンパス FL-600R) が使えません。

複数のボディ・ストロボブランドを使っていてマニュアル調光メインの人に最適。
# X-TTL により TTL も利用可能だが未評価ゆえの評価。



Cactus のストロボについては、V6/V6II で制御できる Cactus 純正ストロボは RF60 (廃番) と RF60X のみ。
このストロボはストロボ単体で V6II の子機になる (レシーバー内蔵) ことで真価を発揮 (HSS や X-TTL ファームで TTL が利用可能) する。
ボディ側と通信を行う信号端子が無く X接点のみのため、クリップオン状態で使うならばただのマニュアルストロボなので、ある意味クロスブランド。(笑)

Nissin
手軽に TTL 多灯が出来るのが売りのようだ。
なんといっても安心の国内メーカー・国内サポート。そしてワイヤレスでも TTL が利用できるため、マニュアル調光にとっつきにくい人向けの製品だと思う。

ボディ側対応ブランドは国内のメジャーなブランドに対応しているが、Cactus V6/V6II のようにクロスブランドではなくブランドごとに親機が必要になる。
また、親機・子機が別れている (子機は V6II に比べて安い!)。

TTL 多灯が前提なため TTL 機能は網羅しているものの、マニュアル機能についてはおまけ程度 (中の人曰く「コストの問題」) で、Air1 はなんと調光ステップが 1EV と大雑把すぎる。
また、TTL の調光ステップも 1/2EV 単位と他のメーカーと比べると調光幅が荒い。
こちらについては Air10s という上位バージョンが発表され、調光ステップは TTL・マニュアル共に 1/3EV 単位で最小出力がなんと 1/256!
……なのだが、これは i60A のみであり、Di700A や AirR の場合は相変わらず Air1 と同じ調光ステップなので要注意
そして延期に延期を重ねて未だ未発売 (2017年8月末現在)。
Air10s が出たら本番です!か?
こちらの制限についてはどうも Di700A と AirR そのものの仕様のようで、Di700A と AirR の仕様をよく見ると調光ステップが 1EV と書いてある。i60A は 1/3EV ステップなのでスレーブ側の問題だろう。

HSS が使えない富士フイルムのカメラでも HSS 可能対応リストに掲載されているボディであれば HSS が可能なチート機能を持っているのは Cactus と同じで富士フイルムユーザーにっこり。

子機となる AirR を使うと手持ちのボディブランドの純正ストロボをスレーブとして利用できるため無駄は無い。
……が、制御出来る条件がとても微妙。
具体的には、親機のブランドと同じブランド (ニコンならニコン純正ストロボ) でないと制御出来ないというブランド混在が不可能な仕様なので気をつけよう。
しかも子機もボディブランドごとに用意する必要がある
Air R FAQ → 「1つのAir1から、ニコン・キヤノン・ソニー用など他のメーカー用のAirRを装着したストロボも制御できますか?」
Air R 製品紹介
ちなみに 2017年8月末現在、AirR はメジャーな 3社しか対応していないので、弱小 マイナー それ以外のブランド利用者は注意が必要。
# まさかフルサイズセンサーのボディを出してるメーカーしか対応してない?と思ったけどペンタックスも K-1 があるじゃないですかやだー!!

TTL 多灯を目的とし、ボディ・ストロボブランドが限定してる人 (要は純正が高すぎてサードパーティの同等品が欲しい人) にお勧め。
複数ボディ・ストロボブランドを使ってる人が買うと場合によってはコスト高になる



Nissin 純正ストロボをスレーブとして使う際は若干注意が必要で、NAS 対応か否かによって使い勝手が異なる。

Nissin 純正ストロボ本体が NAS 対応であれば、親機と子機の対応ブランドが混在状態 (例えば親がキヤノン用、子がニコン用) でも AirR 無しで制御可能なクロスブランド仕様となっている (NAS 対応 Nissin 純正ストロボはレシーバー内蔵)。
もしストロボを 1本も持っていない状態で導入するなら、ストロボも NAS 対応の Nissin 純正ストロボで揃えると後々楽になれる。

しかし、Nissin 純正ストロボでも NAS 未対応のストロボについては AirR を使わなければならないため、対応ブランドを揃える必要がある (混在不可) ので注意。

NAS に対応した Nissin 純正ストロボならクロスブランドと覚えておけば良いだろう。

GODOX
GODOX 純正の変態的なストロボをワイヤレスで使うならこいつしかない。
というかストロボが個性的な奴らばかりなんですけど!!
# V860 については Cactus のクロスブランドで使えるが、AD360 などのちょっと普通の道から外れた個性的なストロボは V6II が対応していない。

対応するボディとストロボメーカーは絶望的でキヤノンとニコンだけ。(笑)
一応 X1R (子機。ちなみに親機は X1T) も有るが、対応ストロボブランドの説明がないためどうなってるのか不明。
# 本国側の GODOX の Web サイトではフォーサーズ用やペンタックス用の親機が掲載されており、また日本のアマゾンでも販売はされているが、技適を取得していないので個人輸入して国内で使うと違法です

しかし GODOX 純正の周辺アクセサリーに目をうつすと、スレーブ側にはクリップオン型の V860 やポータブルモノブロックとも言える AD360、バッテリー式の高出力モノブロック AD600 など変わり種のストロボが電波式ワイヤレスでフルコントロール出来る。
これらの GODOX 純正ストロボをワイヤレスで利用することが前提ならこれしかないが、2017年8月末現在、国内で使うならキヤノンとニコンでしか使えないのが辛み。

▼結局どこがおすすめ?

「ごたくはいいからお勧めを教えろ!」と言われそうだが、いくつかの条件が出てくるのでちょっとややこしい。

まず、手持ちのストロボを生かすかそれともゼロから始めるかで選択肢が若干変わってくる。

ゼロから始めるならぶっちゃけどこでもいい。
そのメーカーのコンセプトにしたがって自分に合うメーカーのワイヤレスシステムを選ぼう。
具体的には
  • 複数のボディメーカー持ちなら親機が 1つだけで済む Cactus 一択。ストロボは RF60X を買ってください。ただし TTL が使えません。※2017年8月末現在
  • GODOX の変態ストロボシステム群を使いたいなら GODOX。でも GODOX のストロボを使いたいなんて考える変態がストロボを持ってないはずがない。しかもこんな記事を読んでるはずがない。
  • TTL 前提ならニッシン。ストロボは将来性を考えてかならず i60A を買ってください。腕が上がって将来 Air10s に買い換えたら幸せになれます。
しかし手持ちのストロボを持っていて、そのストロボも有効活用したいというならば条件がちょっと変わってくる。

まず、どのメーカーを選択するにしろ、ワイヤレスで使用するストロボを増やすならそのメーカー純正のストロボを買うべき
(Cactus なら RF60X、GODOX なら AD など、ニッシンなら NAS 搭載のストロボなど)
わざわざカメラメーカーのストロボを買ってレシーバーで変換する必要は無い。
# そんなことやってるとメタクソ高くつきます。
「手持ちのストロボを生かす」というのは、今持ってるカメラメーカー純正のストロボを有効活用する、という程度なのが前提。
むしろ今持ってるカメラメーカー純正のストロボはクリップオン限定で使用すると決めるならば選択肢が広がります
# そう考えた方がホント楽。

閑話休題。

ボディもしくはストロボをクロスブランド状態で使うことが前提なら Cactus 一択。
親機を複数のボディで使い回せるので親機購入のコスパは最高ランク。でも子機が親機と同じで値段が高いのがネック。
ただし原則マニュアル調光。だって X-TTL ファームがまさかの富士とシグマ、ソニーしか出てないもの…。※2017年8月末現在

それ以外であれば、TTL を使いたい前提でキヤノンかニコン持ちならば GODOX、それ以外ならニッシンで良いだろう。
GODOX は親機の値段が他に比べて安いのはともかくとして、子機は技適が不要なため技適を受けていない海外仕様を使えるので更に安い
# ただし KPI の国内保証は受けられないので値段とのトレードオフとなる。
ただ、GODOX は TTL がなんか微妙って話をちらほら見かけるので、そこらへんの心配が有るなら間違いなくニッシン



2017年8月末現在の親機・子機販売/対応状況。

Cactus
X-TTL 対応は富士フイルム・シグマ (V6II)、ソニー (V6IIs) のみ。

Nissin
Air1 (親機) はキヤノン・ニコン・ソニー・フォーサーズ・富士フイルム用が販売中。
対応表

Air10s (親機) は全ブランド未発売 (発売延期中)。2017年10月発売予定。

AirR (子機) はキヤノン・ニコン・ソニー用が販売中。
対応表

GODOX
X1 の親機及び子機はキヤノンとニコンのみ。

  • G兄:Air10sについて重要な記載を追加しました。
  • G兄:V6/V6IIの後幕シンクロの記載を修正しました。
    他、文章を見やすくしたりしました。
  • G兄:▼結局どこがおすすめ? をちょっと詳しくしました。
  • G兄:後幕シンクロの項目を修正しました。
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備忘録
  • 無し
物欲リスト
  • SMDV SPEEDBOX-60 (コメットストロボ扱い)
  • cactus V6II
    まさか2個も買うとはね…フフ怖
  • ZD 35-100/F2
  • cactus RF60 (3本目)
  • ZD 50mm Macro
  • TG-TRACKER
  • ニンバス チヌーク
  • M.ZD ED 7-14mm F2.8
ツーリング ドライブ兼野外撮影予定リスト