2022/08/25
オーバーヘッドヘッドホン買ってみた - DENON AH-D9200 〜 その3+AH-D5200について
DENON AH-D9200 のバーンイン 100時間終了。
というわけであらためて試聴してみたらかなり良くなってる。
一旦この状態で eイヤホンの試聴機と聴き比べに行かないと。
恐らくこれが最終形態。



改めて DENON AH-D9200、と共に少し AH-D5200 の感想を織り込む。
基本的な感想は前回の通り
AH-D9200 について箇条書きでまとめると
  • 低音は期待出来ない。こちらは AH-D5200 に譲る。
  • 中高音はまさに素晴らしい出来で、例えるならばガラスの粒をまぶしたかのような煌びやかな音。
  • 音場は抜けすぎない程度に広いのでスカスカという感じはしない。むしろこのくらいが音を愉しむのに丁度良い塩梅。
  • 音の抜け方が不思議で9割9分を吸収?しつつ残り1分を反射する感じ。しかも反射が緩やか。これが AH-D5200 だとポンポンと元気良く跳ね返ってくる感じになる。
  • 音の解像度は凄まじく、コーラスは1人1人を区別出来るほど。金楽器は煌めきピアノは底突きの音まで聞き取れ、あらゆる楽器がどこにあるか目で追えるほど。AH-D5200 はここまでじゃない、というか AH-D9200 で聴いた後に AH-D5200 で聴くと物足りなさを感じる。
  • 見通しが良くクリアで晴れ晴れとした感じ。
  • ヴォーカルは割と近い。
  • 非常に楽曲を選ぶ。少なくとも男性ヴォーカルには合わない。
  • カタログスペック上では AH-D5200 と同じ低インピーダンスだがボリュームを上げ気味にしないと音の厚みが出ない。
  • 音によっては刺さる場合があるので注意。

特徴的なのは「音の解像度」「音の抜け方」「音場の表現」。

音の解像度は凄まじく、"「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」主題歌「再生讃美曲」" に収録されている "再生讃美曲" のコーラスでは1人1人の声がきちんと分離していて混ざることが無く、後述する音の広がりも合わせて素晴らしいコーラスになっている。また、バックグラウンドで鳴っている金楽器もガラスの粒をまぶしたかのようにキラキラしていて鳥肌が立つほどの綺麗さだ。音の分離が良いので各楽器の位置が明確にわかって追いかけることが出来るのは当たり前で、ピアノの打鍵音 (底突きの音) までしっかり聴き取れるほど。これが AH-D5200 だと音が混ざり合ってしまい分離感に欠けていた。ただしこれは AH-D9200 に比べれば、なので AH-D9200 を聴いていない耳ならば十分に及第点となるヘッドホンだと思う。このあたりについては後述。

ここで 1つ補足。
音の解像度については是非バランスケーブルを使って頂きたいところ。純正の 3m φ6.3mm アンバランス 7N OFC ケーブルの質は良い物なのだが、バランス化することで音の解像度が (微妙にではあるが) 更に良くなる。潜在力を発揮させるためにもここは是非アンバランス化で。
線材については好みはあるが、ピーキー仕様にしたいならば 7N OCC・銀メッキ+4N純銀線を使ったもの、具体的には NOBUNAGA Labs の「竜頭」「華厳」あたりがそれになる…が、こいつら両方ともなぜか生産終了で市場流通在庫のみ、しかも「華厳 (4.4mm)」はどこも売り切れで「竜頭 (2.5mm)」が eイヤホンにやっと有る程度だったので欲しい人はお早めに。プラグが 2.5mm と細いのは癪だがそうも言ってられまい。
もし手に入らないならばいっそ純正 3m ケーブルをバランス化改造しても良いかもしれない。

音の定位もしっかりしており、"交響アクティブNEETs" の "艦隊フィルハーモニー交響楽団" シリーズを聴いてみると、各楽器がきちんと自分の居場所を主張しており楽器同士で埋もれることが無い。

ここに「音場の表現」と「音の抜け方」が加わる訳だが、AH-D9200 の音の広がりはちょっと独特な感じで、SENNHEISER HD 660 S のように音が何も無い空間にスッと抜けていくという訳ではなく、柔らかな絹に音が吸い込まれるかのような抜け方で、ほんの少し吸収しきれなかった音が耳に戻ってくるというとても不思議な感覚。AH-D5200 だとゼブラウッドの堅いハウジングに弾かれた音がダイレクトに耳に返ってくるが、AH-D9200 は孟宗竹という竹を使っているためこんな優しい広がり方になるのだろうか。なお音の広がりは今のところ HD 660 S とほぼ同等。よく HD 800 S と比べられるが、流石にあのレベルの音の広がりでは無いがアレは音が抜けすぎるので個人的には全く合わないので HD 660 S くらいが丁度いい。
# HD 800 S は一気に無限にすっぽ抜けるので合わない楽曲は全く合わないピーキーなヘッドホン。

ここからは AH-D9200 を数週間聞き続けてからあらためて AH-D5200 で聴き直して気がついたことだが、音の透明度が違うことにも気がついた。どうも AH-D5200 は少し霞がかかった感じなのだが、AH-D9200 では晴れ晴れとした音で非常に質が良い。

また、ヴォーカルの位置も結構違っていて、AH-D5200 は一歩下がったところに居るような感じだが AH-D9200 は間近で歌っているような非常に近い位置にある。これは "「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」ベストアルバム" に収録されている "You are a ghost, I am a ghost 〜劇場のゴースト〜" を聴いたときにゾクッとしたほどだった。ヴォーカルの距離については後述する。

一見万能で最高のヘッドホンに聞こえるが、欠点が無いという訳ではない。

一番感じたのは「合わない楽曲は徹底的に合わない」ことで、このヘッドホン (AH-D9200) は主に女性ヴォーカル専用と考えた方が良い。男性ヴォーカルだと低域の量が足りないので音が抜けた感じがするのでこれはもう仕様。まぁ音物にはよくあることなので「合う楽曲を聴きましょう」って話ではあるのだが。ガオガイガーの主題歌を聴いたときは「ナンダコレ?」と頭にクエスチョンマークが乱舞したほど。低音を含めた思い音を愉しむならば AH-D5200 が非常に合う感じ。

また、音の解像度が高く音場が広いというところからオーケストラ系にも非常に合う…のだが、現場のステージの広さをそのまま音場の広さとして表現してしまうので場合によってはちょっと悲しいことになる。具体的には "交響アクティブNEETs" の "艦隊フィルハーモニー交響楽団" シリーズなのだが、これがモロに影響を受けた感じ。具体的には「部屋の広さが狭い」。_(:3」∠)_

もう 1つは出力器機のパワーを多少求められるところ。具体的には音量を絞ると必要以上に低音が出ないので音の厚みが薄い感じが更に薄く感じてしまう。なので音量を少し上げ気味で聴きたいところだが、鼓膜には優しくないのでその点は注意したいところ。



AH-D5200 の解像感とヴォーカルの距離について。

これはある程度調整可能で、解像感についてはリケーブルで対応、ヴォーカルの位置についてはイヤーパッドの交換である程度対応可能。

まず音の解像感だが、AH-D5200 はよく「純正のアンバランスケーブルで調整済み」と言われているが、流石に AH-D9200 の解像度の高い音を聞いてしまうとかなり物足りない。そこでリケーブルだがバランスケーブルに交換すると割と良くなる。ただし線材には気をつけた方がよく、あまりにも良い線材を使うと音が分離しすぎてとっちらかってしまい聴いてると音酔いしてしまう。試しに AH-D9200 で使っていた NOBUNAGA Labs の「竜頭」(7N OCC 4芯・銀メッキ+4N純銀 4芯) を使ってみたところ、解像感が上がりすぎてとっちらかってしまい音があっちこっちに飛びすぎて音酔い?してしまった。ケーブルをとっかえひっかえしてると、どうもアマゾンで売っている 3APLUS の "HD4 4.4mm バランスケーブル (8芯 銀メッキ単結晶銅)" がぴったり合う模様。お値段安いのになかなかやすわねこのケーブル。

ヴォーカルの位置についてはイヤーパッドの交換で対応出来たのだが、なんと AH-D9200 のイヤーパッドを使う。これでヴォーカルが少し近づく感じになった。アタッチメントの構造的には互換性があるのでポン付けで対応可能。また、AH-D9200 のヴォーカルが近すぎると感じるならば、いっそお互いのイヤーパッドを入れ替えてみるのも良い。



今この日記を書いているときも AH-D9200 で "シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| サウンドトラック" を聴いているのだが、その音の良さに時々聴き入ってしまうくらいにはお気に入りになった、というか特別な理由が無ければ他のヘッドホンを使わないほどにはお気に入り。
あらゆる音楽に適しているというわけではないので AH-D9200 に合わない楽曲を聴くときは合うヘッドホンを選ぶが、基本 AH-D9200 に合う楽曲が好きなので自分との相性は良い模様。
金額が 17万弱にリケーブルで 1.5万円弱と個人的にはあまりにも現実離れした値段ではあったが、結果非常に満足しているので結果オーライ。
音物は長く使えるので長い目で見ればこのお値段ならば悪くはないと思う。


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