先日に続き今日はマキノで
Granstream さんが主催する
フェザークラフト社のフォールディングカヤックの試乗会。
今回の目的はウィスパーの直進性と走破性の体験及びカサラノの乗りにくさの体験。
同じ環境でアルピナ2 430EXに乗ってみるとどれだけ違うのか?という違いも感じようかと考えて一応持って行くことにする。
というわけで朝起きる・・・が、先日の疲れが残っているのかなかなか起きられない。
結局 8時前に起きて 8時半過ぎに出て行くという始末。
道中混んでるかな〜?と思ったら早朝に動くよりも早く到着したとかワケワカラン。
日曜の朝という遊びに出るには中途半端な時間帯だったのが功を奏したのか?
超長いので畳もう。
現場に着いてみると既に数艇は沖に出ていたが、幸いにもウィスパーは現場に残っていたのでこれ幸いと即確保。
シュッとしたデッキのラインとバウ・スターンハッチ
そしてキリッとそそり立つバウとスターンが格好良すぎ。
幅は約 59cm あるので「まー乗り沈なんてしないでしょ(慢心」とか思っていたがそうは問屋が卸さなかった。
幸い終始に渡り乗り沈を含む沈はしなかったものの、乗り込むにもふらふら、乗り込んだ後も微妙にふらふらで幅に対しての 1次安定性 (静止時の安定性) がなかなかに悪い。
静止した状態でそのふらつきに慣れるために艇を傾けて限界点がどの辺りかとか、どの程度踏ん張るかを確認しながら静止時のふらつきに慣れる。
若干慣れたところで今後は漕いでみる。
2次安定性 (漕艇時の安定性) はやはり若干悪い。
しかし沈するというほどでもなくリーンしやすい程度。
移動速度はかなりはやい。
横を見ていると景色がぐんぐん後ろに流れていく。
ふと岸辺を見てみると「え!?もうこんなに!?」というほど。
直進性に関しては一応真っ直ぐは進むのだがどうも一度左右どちらかをスウィープしてしまうとそれをずっと引きずったままになってしまう。
この艇がシーカヤックタイプなのかリバーカヤックタイプなのか、つまり「どちらにリーンをかけたらターンできるのか」がわからなかったので色々試してみたが、どうも上手い具合に真っ直ぐ走らないときもあれば真っ直ぐ走るときも有りどうにもこうにも上手くいかない。
とりあえず 1次安定性と 2次安定性、スピードは確認出来たのでまずは陸に上がることにした。
カサラノはまだ組み上がっていなかったので試しに K1 に乗ってみたが、ラダーがついていたので試しに下ろして使ってみたがイマイチよくわからなかった。(´・ω・`)
というのもラダーの動きが悪くて操作を上手くできなかったというのもある。
ちなみにラダーだが、荒れた海、特に風や波の強い中や長距離 (どの程度をもってして "長" というかは不明だが) を漕ぐなら必須だがそうでないならばリーンやパドリングで補正出来るので不要だという。
幸いにもそんな海を漕ぐつもりはないし、距離も 15km ほど漕げればいいくらいかもしれないのでラダーはいらないかもしれない。
昼頃になるとカサラノの組み立てが始まった。
組み立ては終始横で見させていただいたがどうもこのフェザーの組み立てはアカン。
非常に面倒くさい。
しかしこの組み立て方のおかげでジッパーが不要になっているのでデッキラインや布の張りがもの凄く綺麗でかなり絵になる。
他のフォールディングカヤックではスターンデッキがジッパーになっているのでハッチが無いもしくはオフセットした位置にあるが、フェザーはスターンデッキにジッパーが無いのでハッチの位置は中央に位置している。
そして組み上がったカサラノ。
フォールディングカヤック界の中で一番スタイルが良いと一部で(?)言われているようだが、確かにもの凄く綺麗なラインで「美人」。
写真で見るより実物見てくださいマジで感動する。
大きさはかなり大きくて 5.4m。
ウィスパーの 4.75m もたいがいだと思ったがこいつは更に長い!
そして細い!
この細さ故に速く、そして安定性が悪いのだろうというのは想像に難しくないのだが、考えていた以上だったのは後に思い知ることとなる。
まずは陸上でフットブレイスの調整。
芝生の上で乗り込もうとするが
かなり狭い。
おもわず「せまっ!!!!」と声を上げてしまいスタッフや常連さんらの笑いを取ってしまったが
マジで狭い。
しかしこの狭さは逆に艇と一体になることが出来、体の動きがダイレクトに艇に伝わるので非常にコントローラブルなのだという。
フットブレイスの調整をしてシーソックを綺麗にするとコックピットとぴったりフィット。
さて、いよいよ出艇。
blog を読んでいるとやれ「乗り沈した!」だのやれ「漕いでる最中に沈」だのと乗る前から初心者お断り感満載の全然デレてくれないツンツン美人カヤック。
緊張しながら水に浮かべて普段とは違う乗り方、艇を跨いだ状態でコックピットに座り込み脚を投げ出し、その後脚を収納するという乗り込み方。
というか
この乗り方で無いと入れない。
まずコックピットに腰を下ろす。
ここまではいい。脚がまだギリギリ湖底に着いている。
次にこの状態で脚を上げて水面に浮いた状態に移行する。
ここらへんでだいたいは沈 (いわゆる「乗り沈」) するようだが、かなりふらつきながらもなんとか脚を収納するまで持ち込んだ、いや、
持ち込めた!
そして水上の人になったわけだが・・・正直な感想を言うと「乗ってられない」のである。
1次安定性?なにそれおいしいの?状態でただ単にそこに静止しているだけでも左右にふらつく。
「ウィスパーの 1次安定性が悪いと書いたな。あれは嘘だ、」っていうくらい。
エアスポンソンに空気が入っている状態だからある程度のところである程度は傾かず軽く踏ん張ってくれるが、軽く踏ん張っているだけなのでちょっと気を抜くと恐らくそのまま沈。
カサラノ無印 (他には S 型もある) はエアスポンソンの空気を抜いて使用することも可能とメーカーはうたっているが、空気が入った状態でこれなのに抜いてしまうとどうなるんだと戦々恐々である。
一応揺れはなんとか安定させられるようになったので今度は漕いでみることに。
漕ぐと今度は沈する恐怖 (脱臼の時の怖さがまだ若干残ってる) はあったが、静止状態よりは幾分マシなだけで不安定さに変わりはない。
ひざの裏 (内側) にサイブレースバーをしっかり当てられるので姿勢制御は問題無いが、常にリーンをやってるような感じで非常に疲れる。
とりあえずウィスパーと同じ距離を漕いでみたところ、
もの凄く速い。
毎時十何キロも変わるわけではなく数キロ程度ではあるが、クルーソー 460 や AL-1 450 HB、ウィスパーよりもかなり速い。
そして一度滑り出すと今度はなかなか止まらない。
これは blog を読んでいるとよく書かれていたことだったが、実際に漕いでみるとやっぱり凄かった。
ターンは初め逆リーンであることを知らなかったので以前写真で見た講師の内リーンを参考に、まずは外側をスウィープストロークしてターンの初動を付け、曲がりたい方向と同じ方向にリーンをかけ、かつスターンラダーを入れて曲がってみたところ意外とすーっと曲がってくれたのでターンは問題なさそう。
1回目はバランス取りにくたくたになったので早々に岸に上がって感想を述べると、どうも膝裏を当ててリーンの要領でバランスを取るのではなくお尻でバランスを取る・・・って無理だそれ!!www
陸に上がって講師と少し話したが、どうやらシーカヤックタイプ (キールがしっかり入っている) なので逆リーン(曲がりたい方向とは逆にリーンする、例えば左に曲がりたいなら艇を右に傾ける) だそうだ。
講師がリーンを見せてくれるということで見ていたが、逆リーン+フォワードストロークだけでぐいぐい曲がってる。
それはもうあり得ないくらいに。
その後はもう一度ウィスパーに乗って逆リーンを試してみる。
まずは真っ直ぐ走ることに専念ということで曲がる方向と逆に曲がるようにリーンをかけて補正してみると、片方は進路修正が可能なのだが、もう片方はなぜか真っ直ぐに進むか逆の方向に曲がっていくというワケワカラン状態に。
しばらくはその直進性の悪さに悩まされたが、パドリングをちょっと変えてやると結構真っ直ぐ進んだのでもしかするとパドリングが悪かったのかも、という結論に。
逆リーンに関しては滑走状態で逆リーンを掛けてみると確かにターンできるのでなるほど納得。
ここで先に書いておくが、カサラノやウィスパーに限らずフェザー艇の安定性が他のフォールディングカヤックより悪いと感じる理由はエアスポンソンの位置にあった。
他のメーカーの艇はエアスポンソンが喫水線の上から下まで入っているのに対し、フェザー艇は喫水線付近にしか入っていない。
これはつまり、真っ直ぐに乗ったときはエアスポンソンが水に接触する面積が少ないためにふらついてしまう。
しかしこのエアスポンソンの位置は走行時に水に接触している面積が少ないので結果走り出しが軽く、かつスピードが速くなるといった効果も有る。
また、リーンを掛ける際にエアスポンソンが邪魔をしないのでリーンは非常に掛けやすい。
エアスポンソンが喫水線付近に有るので、リーンを掛けたときにエアスポンソンが水に沈むとそこで初めて浮力を発揮するため、ある程度で有ればそのまま沈することは無い。
今度はもう一度カサラノを試そうと思ったら講師曰く「エアスポンソンの空気抜いてるよ。そのまま乗ってみたら?w」って!!
確実に沈するわ!と思いながら「無理です無理無理!」と言ってはみたものの、こんな時だし試しにエアスポンソンの空気が無いカサラノってどんなのだろうと魔が差したので乗ってみた。
・・・・・・・数十メートル行って泣きながら帰ってきたなんて初めての経験だよ。('A`)
まず
> 1次安定性?なにそれおいしいの?状態でただ単にそこに静止しているだけでも左右にふらつく。
は更に酷い、というか
一瞬でも気を抜くと即沈。
そりゃそうだ、エアスポンソンに空気が入っていてもあれだけ 1次安定性の悪いカサラノのエアスポンソンから空気を抜いたのだから。
とりあえず
正に綱渡り状態のまま軽く漕いでみたが、漕ぐというよりも
パドルの先っちょを水にちょんちょんとつけてようやく進んでいる状態だがそれでもかなり怖い、というか
一寸先は沈。
なんとか、
本当になんとかターン、いや、あれはターンというのだろうか・・・という状態で岸を目指すが、岸にたどり着いても今度は降りるのが怖かった。
乗り出しから降りるまで沈と戦うことになろうとは予想だにしなかったよ・・・。
この状態であの艇を手足のように扱ってたんだから講師、スゴイ。
今度はエアスポンソンにきちんとエアを入れてもう一度出てみたが、空気を入れるだけでこんなに安心感があるのだからエアスポンソン様々。
3回目ということもあり少し慣れたので逆リーンとリーンを試しながら漕いでみたが、やはり 2次安定性も悪いのでエアスポンソンに空気があっても安心は出来なかった。
講師が逆リーンですいすい曲がっていたので真似してみたが、講師と同じようにはターンできない。
後で聞いてみたところエアスポンソンの空気を抜いていたからクイックターンが出来るんだよ、とのこと。
カサラノは俺には無理です。(゚д゚#
今回の試乗風景。
手前はカサラノとウィスパーだが他はよくわからん。
もしかしたら手前からカサラノ、ウィスパー、ヘロン、ちょっと飛んで カフナ、カフナっぽい?、K1 かな?
黄色い矢印は自分がいつも漕ぎに行ってるマキノサニービーチ。
試乗会は 16時にお開きだったので最後は赤い Tシャツのスタッフといろいろ話をして終了。
店長他参加者の皆様に挨拶をしてお先に失礼させていただいた。
帰りはチョー眠かったので「藤樹の里あどがわ」でコーヒーブレイクをしようとしたら通り雨。
車で来て正解だ。
そして予想通り R161 の真野 IC 付近で渋滞、というかその手前の中央分離帯で事故。
どうやら対向車線を走っていた S15 が中央分離帯に刺さってそのまま対向車線上に 180度スピンして停止、ケツをこちらに向けていた。
ここは来るたびに何かしらの事故 (追突が多い) が怒っているが魔物でも潜んでいるのか?
家に帰り着いたのは 2030時頃。
即飯を食って風呂入ってヤフオクで勝利を収めてこうして日記を書いているのが 0140時。
そろそろ寝ないと。
まず今回検討、といっても買うと確定したわけではないが、将来的に手に入れたいと考えている候補。
- バタフライカヤックス クルーソー 460 コクピットポッド / 全長 460cm / 価格 \302,400 (直売)
- フジタカヌー アルピナ1 450 ハイブリッド / 全長 445cm / 価格 \262,440 (スタンダードカラー / カヤックコウノトリ)
- フェザークラフト ウィスパー / 全長 475cm / 価格 \583,200 (Granstream)
まずクルーソー 460 と 450 HB で悩むと僅差で 450 HB。
理由としては、ひざの収まりとミーハー度()、コクピット周りの作りの良さや海での使用 (クルーソーは FRP パイプのため錆びない) でいえば クルーソー 460 になるのだが、納期が不安定 (現在なんと 4ヶ月(!)待ち) なのとやはりお値段の話になってしまうので、ひざの収まりは多少悪いが直進性と速度、いわゆる「漕艇時の使い勝手」ではどちらも変わらないことから 450 HB を選択。
次に 450 HB とウィスパーの比較だが、走行スピードはウィスパーの方が速いのだが劇的な差ではなく、あくまで比べてみたら若干速いな、程度なので個人的にはこの差は埋められそう。
直進性は甲乙つけがたいので差は埋められるどころか両者ともに問題無し。
安定性は 450 HB の方が良いが、それと引き替えにリーンのし辛さとスピードが多少犠牲になるが、ここらへんはまずまず妥協できそう。
組み立てのしやすさは圧倒的に 450 HB なのだが、構造の違いから浸水のし辛さという観点から見るとウィスパーに分がある。また、フェザーのジッパーレススターンデッキはデザイン上スマートに見えるので、デッキにジッパーのある 450 HB を改めてみるとそれが邪魔に見えてくるのは否めない。組み立てのしやすさについては最終的には慣れの問題だと思うのでこれもある程度は妥協。
そうすると最後に残る懸念事項は「デザイン」となる。これは漕艇に直接関係しないが、見た目というのは陸に上がって休憩などしてるときに一番目につくもの。ずっと水の上の人ではないし陸に上がった後は即撤収、というわけでもない。美しい物はやっぱり美しいのだ。このデザインはウィスパーの圧勝。あのバウとスターンのすらっと立ち上がった姿は実に美しい。
しかし最大の障壁はなんといってもお値段。
誤解を恐れずに書くならば、漕艇時の性能だけでいえば 450 HB はかなり良いと思う。ウィスパーと比べるとスピードはちょっと遅いかもしれないしリーンも 450 HB はエアスポンソンが大きいせいでリーンを掛けづらいのだが、それはウィスパーと比べたときであって実用上はなんら問題無い。むしろ安定性のおかげで沈を恐れず安定して漕げるし、それでいてそこそこのスピードと直進安定性が確保されているのでパドリングに集中できるし短時間で遠くへ行ける。
となると、あとは「ウィスパーはフェザークラフト艇である」という「所有感・満足感」と「デザイン」が大きな違いとなるわけだが、それらにこの価格差、つまり 32万円を出せるかどうか、だと思う。
うちの母者の口癖は「後で後悔するなら最初から全力を出せ」なのだが、全力出しても 32万円の価格差はきっついです・・・。
え?カサラノはどうしたかって?
あんなツンツン美人お嬢様は扱いきれません。
1次安定性が悪いので停止時の写真撮影やうちの娘をデッキに載せてデートが出来ないのが最大の問題。
自分一人で沈するならまだしも、E-M1 とうちの娘を道連れにするのはかなり無理があるからね。
お値段 (なんと 78万円!アホか!!) もあるけれど、そもそも「カヤックとうちの娘を一緒に水の上でも写真を撮る」という鉄の掟があるのでこれだけは外せない。
カサラノは「憧れのお嬢様」として心の奥にしまっておきます。
カサラノは細身ですらっと長い船体、そしてバウとスターンがキリッと持ち上がり、デッキが平らなため横や斜め前後から見ると弓のようにしなった姿となり本当に美しい。
その姿を見て虜になり、初心者であれども即断で買ってしまう人の気持ちがよくわかる。
この話をしているときのグランストリームの店長さんの話が印象深かった。
曰く
その姿を見て初心者さんでも欲しいという人が時々居るのですが、我々はまず真っ先に止めます。
そういう船なんです。
それでも買われる人は居るんですが、やはり扱いきれず手放す人は多いです。
※ニュアンス的にはこう
だそうで。
その後の調査で、スピードは ウィスパー ≒ クルーソー 460 > AL-1 450 HB らしく、更にクルーソー 460 はウェザーコッキングに強いらしい。
開発者兼ビルダーの人曰く「ウェザーコッキングに強くラダーの必要性はないので着けなかった」だそうだ。
海での使用を考えるとウェザーコッキングしにくい、足が速い、更に錆にも強いということで、この 3艇を比較すると実用度で言えばクルーソー 460 が上位に食い込んできた。
スタイリングでは ウィスパー >>> クルーソー 460 > AL-1 450 HB なのだが・・・。
移動距離:190km
└ G兄
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