以前から「ストロボの光量はシャッター速度ではなく絞りの開度で」と聞いており実際そうなのだが、何故シャッター速度ではないのかという疑問があった。
また、「ストロボ撮影を行うときは部屋を真っ暗にすべきか否か」という疑問もあったので試してみることにした。
人形写真注意。
まずシャッター速度の話。
「ストロボ撮影時のストロボ光量はシャッター速度ではなく絞り開度が関係する」とよく言われるが、それはどういうことかというのを今回試してみた。
まずは環境光 (部屋の蛍光灯など) の影響を受けないよう、部屋の灯りを消してストロボの光だけで撮影を行ってみる。
【蛍光灯無し】
絞りは一定でシャッター速度のみ変動させており、その変動値は 0.6sec → 1/60sec → 1/200sec となっている。
コレを見て貰うとわかるが、シャッター速度を変動させているにもかかわらず写り方は同じとなっている。
この理由だが、シャッター速度は遅くなればなるほど撮像素子に対して光を当て続けることになる。
しかしストロボは「瞬間光」なので、シャッターが長時間開いていたとしてもストロボ光 (瞬間光) が当たるのは一瞬のことなので、光が消えれば部屋が真っ暗なので実質的にはシャッターが閉じているのと同じ事になる。
つまり、環境光さえ無ければシャッターがバルブモードでずっと開いていようと 1/200 sec だろうと、シャッター速度がシンクロ速度以下であれば露出 (ストロボ光量) はシャッター速度に左右されない。
これがシャッター速度が違うにもかかわらず全て同じ露出になる、つまり「シャッター速度は関係ない」マジック。
次に「部屋を真っ暗にするか否か」。
次の 3枚の写真は環境光である部屋の電気を点けた状態で撮影した物だが、0.6sec では露出オーバーながら 1/60sec 以上では露出が変わっていない。
【蛍光灯有り】
これは、シャッター速度がある程度以上になると環境光は撮像素子に露光される明るさを下回るので、実質ストロボの光だけが露光出来る光となり、上記のように有る程度のシャッター速度以上で一定の露出になる。
ここで「では部屋の電気はつけて置いてもいいの?」という疑問だが、
ストロボの光だけで演出を行えるのであれば点けても点けていなくてもどちらでもかまわない。
今回は六畳用シーリングライトを暗くして撮影したが、ある程度の暗さにすればシャッター速度次第で蛍光灯の明るさを殺せるので点けておいても問題はない。
この場合、環境光 (蛍光灯) の影響を排除するため、シャッター速度はシンクロ速度以内の出来る限り早い値に設定する必要がある。
こうすることでストロボのみの光量調整に集中できるので、少なくともストロボの光のみで撮影を行えるのであれば楽な作業となる。
六畳間だと 1/100、F4.0、ISO
400 で 580EX のズーム位置を 24mm にした状態で 1/16 〜 1/8 出力にして天井の角に斜めにぶっぱなして適正露出となった。
ここで問題になってくるのは「環境光も考慮した撮影を行う場合」だが、この場合はまずストロボ無しで背景を含めて適正露出となるようなシャッター速度と絞り値を決定する。
その後、ストロボで影になっている「光で起こしたい部分」を起こすようにストロボの光量を設定する。
ということらしいのだがそこらへんはまだ根気入れて試してないのでまた今度。
なお、外光の入らない部屋撮りの場合は光源・光量が非常に安定しているので、全てをマニュアルモードに設定して前回のセッティングを使えば同じように撮影が可能となる。
一度セッティングを決めてしまえば悩むことなく同じ露出で撮影できるのは時間的にも助かる。
「ストロボの光量」について。
「ストロボの光量を決定するのは何か?」というと、答えは「絞り開度」もしくは「ストロボ出力」となる。
ストロボ出力は当たり前なので説明を省くとして、「絞りの開度」を変えるとどうなるかというのが下の写真。
光の良は絞りの穴の大きさに左右される。
つまり「光が通る穴が大きければ大きいほど撮像素子に当たる光の良が多くなる」ということで、おおざっぱに試すとすれば・・・
ふすまのある部屋を真っ暗にして隣の部屋の電気を点けておく。
そのふすまの開度こそが絞りの開度であり、ふすま (絞り) を全開にすれば真っ暗にした部屋は明るくなるが、ふすまをちょっとだけしか開けなければ部屋はちょっとしか明るくならない。
これが「ストロボ光量は絞りの開度で決まる」原理。
上記の例は隣の部屋の蛍光灯が定常光なのでちょっと違うが、真っ暗にした部屋の明るさが絞りであるふすまの開度でどの程度変わるかという実体験をするには丁度良いと思う。
他にも ISO 感度でストロボ光量を調節するという手も有る。
ただし背景から被写体から均等に明るさが変わる諸刃の剣。
ISO 感度は簡単に言うと「光量ブースター」とでも言おうか。
数字が上がるにつれて受けた光に対する感度が上がる、つまり明るく撮れるのだが、これは定常光であろうと瞬間光であろうとも、撮像素子が光を受けたときにゲインアップを行うので掛け率としては同じになる。
つまり瞬間光であるストロボであっても ISO 感度の数字が上がれば上がるほど明るく写る。
シャッター速度とストロボの関係、光量調節、部屋の灯りの有無についてはこんなところで。
追記。
いろいろ実験と調べた結果を頭の中だけに置いておくと忘れそうなので日記にしたわけだが、間違ってるところもあると思うのでそこらへんはつっこみ歓迎。
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