10月19日(土)はろくに撮影出来なかったのでリベンジ。
インプレと作例を交えてみたが長くなるので。
人形写真注意。
原寸サイズはこちら。
「
OLYMPUS E-M1 作例集 〜 桜乃+美留姫」
原寸サイズは CTRL を押しながら画像をクリックすることで見られる。
E-M1 を 1日じっくり触ってみたが E-M5 や E-P5 より使い勝手が良くて大満足。
操作系はボタンやレバーの追加及びボタンに設定出来る機能が限定されなくなったために使い勝手が全体的に向上している。
E-P5 までは「このボタンにあの機能を割り当てたいのに出来ない」と行った事例があったがそれが無くなっているので好きに割り当てできる。そしてプログラマブルボタンが多くなったことにより逆に「どこにどのボタン割り当てよう?」と悩むこともしばしば。
気になっていたボタンのさわり心地はしっかりしているし、なにより少し大きめになっているので押しやすい。
レンズ横のボタンは流石に縦位置だと若干使いにくいが、下のボタンが縦位置撮影時にもなんとか指が届く場所にあるので「拡大枠」を割り当てている。
十字キーもパーツ的に十字プレート (中で繋がってる) のようでたわみなどは無く押しやすかった。ただこの十字プレート、場所がボディの上の方にあるので縦位置の時に押しにくい。もうちょっと下にしてくれた方がよかったのだが・・・。
AEL/AFL ボタンについては「ちょっと硬くてちょっと遠いな〜」というのが素直な感想。また、Fn1 はボディの右角に置かれているため、ホールドした際にサムレストに親指を置いた時、その更に外側になるので押そうとするとホールド性が若干悪くなる (といってもそれが原因でぶれるような場所では無い)。AEL/AFL ボタンに関しては 2x2 レバーとの兼ね合いもあっただろうし Fn1 に関してはそもそも設置場所が無かった (まさかサムレスト上に置くわけにも行かない) というジレンマがあったのだろうという感じがする。自分は毎度親指フォーカスをどこかのボタン (大抵 Fn1) に割り当てているが、今回は AEL/AFL と Fn1 のどちらにしようか最後まで迷った。結局ちょっと遠いけど Fn1 よりマシな AEL/AFL に親指フォーカスを割り当てた。
ボタンのカスタマイズについては人それぞれ千差万別だが、自分が割り当てているボタン内容をメモがてら挙げておく。
- Fn1:ISO 感度
- Fn2:マルチ Fn
- REC:ピーキング
- AEL/AFL:AEL/AFL
- ワンタッチWB:絞り込み
- プレビュー:拡大枠 (横位置・縦位置どちらからもボタンが押せるため)
- B-Fn1:AEL/AFL
- B-Fn2:フォーカス点切り替え (十字キーに親指が届かないため)
- L-Fn:デジタルテレコン
- 2x2:フォーカス切り替え
ダイヤルは斜めに指を当ててもしっかり回せるよう角を落としてあり、またギザ歯加工をしてあるので非常に回しやすく、クリックの間隔が広いので回しすぎることはない。回し心地は E-M5 のようなカリカリとしたものではなくコリコリとした静かで優しい感じになっており高級感がある。
シャッターボタンは半押しまでのストロークが軽すぎて違和感があるが、そこから全押しまでの反発力は丁度いい押下圧で非常によろしい。E-M5 はタクトスイッチのような「カチッ」とした押下感だったが E-M1 では 1眼レフのシャッターボタンのように粘りけのあるボタンとなっており押しやすい。これは縦位置グリップでも同じだが、縦位置グリップのシャッターボタンと若干違うパーツが使われているのか押し心地が若干違うのが気になった。
EVF は周囲の明るさに合わせて明度を変えるようになっているが、暗くなった際にコントラストが若干悪くなるような気がする。それ以外に関しては文句の付け所がないほど素晴らしい。特に EVF 表示を mode 1、mode 2にすると下部にシャッタースピード値や絞り値などが表示されるが、露出メーターが半押し時に水平器になるので (垂直器が不要であれば) わざわざ INFO ボタンで水平器表示をする必要がないので視野を何も表示させずに綺麗に使うことが出来る。mode 3 の全画面にするとその大きさに驚かされるが、メガネ野郎だと角を見る際にけられてしまうので出来れば mode 1 か mode 2 の方が良いだろう。
人が触れるところ、特に常時触れるグリップは非常によくできている。ボディの大きさでグリップの大きさも必然的に決まってしまうので大丈夫か?と思ったが杞憂に終わったようで、M.ZD ED 12-40mm F2.8 PRO や M.ZD ED 75mm F1.8、Panasonic LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH. など大きめのレンズを付けてもホールディング性に心配は無い。HLD-7 を着けるとホールド性が更に増し、E-M5 の頃のように両手が窮屈になるようなことは無い。更に小指がかかる場所が出来るので小指が遊ぶようなことが無くなり楽になる。
縦位置時も同じくだが、1点だけいちゃもんを着けるとすれば B-Fn2 が若干下過ぎて迷う。慣れれば済む話だがもうちょっと上にしても良かったのではないかと。
ボディの大きさに関しては「これぐらいの大きさであれば許容範囲」というレベル。というか実はこれ、E-M5 と比べて高さも幅も厚みも
ほっっっとんど変わってない。変わっているとすればグリップの部分で、グリップ部分だけ言えば体積的に約 1.5倍ほどとなっているが、E-M5 にパワーグリップを着けると高さはあちらさんの方が大きくなってしまうのでにんともかんとも。カバンへの収まりはグリップを外せないので悪くなってしまったが、握りやすいグリップなのでそこは我慢すべきだしそもそもそういう人は E-M1 なんて買わないだろうから問題は無い、というかそういう人は E-M5 か E-P5 買ってください。
ざっとボディを見回して「お?」と思ったのは、背面ディスプレイの枠が「ごんぶと」になっていたこと。E-M5 ではクラック騒ぎでなんだかんだと言われたが、E-M1 では厚みを増やしていかにも頑丈そうな感じがする。引き出す際に E-M5 や E-P5 ではたわみがあってちょっと恐かったが E-M1 ではそんなこともなく安心して引き出せる。
また、ぽろぽろ落ちてよく無くすと言われていたアイピースは下側に突起が有り、それがボディに引っかかって簡単に落ちないようになっている。交換する際はこの突起のせいでアイピースを割りそうになるが、落ちて無くすよりはマシだろうしそう頻繁に交換するものでもないのでこの加工は評価したい。
画質に関しては正直違いがわからない。超高感度 (ISO 25600) で超高感度 NR を「弱」にしてみると色が若干良くなっていた (色ノイズが少ない) が、それ以外では見た目ほとんど変わらず (流石に「OFF」では両者とも見るに堪えない)。
だが、キャップを着けた状態でダークを撮ってみると「長時間露光 NR」を OFF にしているともの凄いノイズが。E-M5 や E-P5 ではこんな事が無かっただけにちょっとショック。これは低感度から発生するようで星景星野撮影でよく使う 25秒や 60秒以上でも顕著に表れる。「長時間露光 NR」を ON にすれば綺麗さっぱり消えてくれるが、例えば流星狙いやポータブル赤道儀を使って 2分程度の露光をする際は長秒時 NR の処理を待っていられない。正直 E-M5 や E-P5 で出来ていたこと (OFF でも問題なし) が出来ていないというのはちょっといただけない。
この「長秒時ノイズ」に関して勘違いしてはならないのは、
「高感度ノイズ」と「長秒時ノイズ」は全く別の物であるということ。「高感度ノイズ (ISO をageage)」は ISO を上げて行くに従って色ノイズが乗り、それは不可逆なものであり、ノイズリダクションを使っても完全に除去は出来ない。こちらの性能に関しては E-M5 や E-P5 に比べて悪くはなっていないので安心して欲しい。「長秒時ノイズ」は ISO 値に関係なくシャッターを開ける時間が長ければ長いほどノイズが発生するが、これは「長秒時露光 NR」を ON にすれば綺麗さっぱり消えるし、星景星野撮影であればダークを撮っておけば後からダークを引いて綺麗さっぱり消すことも出来る可逆的なノイズである。実際に星を撮影していないので何とも言えないところだが、ダークを撮った時点で派手に出ているので星を撮っても同じように出るだろうと言うことは想像に難しくない。
今のところ、この「長秒時ノイズ」に関しては避けて通れない問題なので、上記に挙げたとおり「長秒時露光 NR を ON にする」か「ダークを撮っておいてあとで引く」運用をしなければならないのだが、
唯一救われるのは「とりあえず NR かけなくてもダーク撮っておいたら後でなんとでもなる」こと。
ただし、ダークを取り忘れたらにっちもさっちも行かなくなるのは困りものだが・・・。
他所の検証では10秒程度からノイズが乗り始めるようなので、何秒程度なら NR を ON にできるか考えた上で都度 NR の ON/OFF を切り替えた方が良さそうだ。
他に気付いた点としては、スーパーコンパネで E-P5 までは右下の枠内にダイヤル割り当て機能が表示されており、それはただ単に現在の設定を表示しているだけでそこから機能の変更が出来ないという謎仕様だったが、E-M1 ではそこで OK ボタンを押すとボタン割り当て設定に飛ぶことが出来、設定を変更することが出来る。ここらへんの UI の作り込みに関しては毎度毎度首をかしげることが多く、オリンパスの開発陣はこれをどう考えているのだろう?と毎回思う事しきりである。今回は改善してきたが恐らく使い込んでいる内にまだまだこういう謎仕様を見つけることが多くなるだろう。
レンズの方にも目を向けてみる。
買ったのは M.ZD ED 12-40mm F2.8 PRO レンズキットだったのでレンズはそれとなる。このレンズだがまずデザインがもの凄く格好いい。
デザインで画質が決まるわけではないが、長く目につくのはやはり外装デザイン。だっせーレンズを持つよりは格好いいレンズを持った方が気分は良い。それでいて画質が最高なら言うこと無しだ。
で、その画質だが「明るさとボケ量を抜きにすればもうこれ 1本で単焦点はいらないんじゃね?」というほどの出来。開放からかなりの切れ味でボケ味も上出来。流石に M.ZD ED 75mm F1.8 なんて持ち出されると「ガキの喧嘩に大人が参加するようなもの」で大人げないが、今まで単焦点をゴロゴロ持ち歩いていたことを考えるとこっち 1本でいいかな?と思う。ZD レンズとの撮り比べはしていないが、開発者の言う「ZD 12-60より上」という言葉もあながち嘘では無さそう。逆光でのコントラスト低下は無くフレアやゴーストも発生しないので逆光に気を遣わずガンガン撮っていける。色乗りに関しては撮影場所がモノトーン調で彩度の低い場所だったので評価は止めておくが、ビーズの色をみるに悪くは無いと思う。
ズームに関してはテレ端で1.6倍ほどに伸びる。ただ、伸びた鏡筒はガタつかずしっかりしているので光軸的には安心できる。縮長時は 17mm あたりの焦点距離時に最短となり、ワイ端では若干伸びるので収納時は少しだけ気をつけよう。
フォーカスリングについては M.ZD ED 12mm F2.0 や M.ZD 17mm F1.8 のようにスナップショットフォーカス機構付き、と思ったら何か違う。マニュアルなどを見てみると「マニュアルフォーカスクラッチ機構」と書いてある。これは SSF 機構がゾーンフォーカス (距離指標単位の合焦位置となるのでその間のフォーカスエリアが無い) なのに対し、MFC 機構は言わば「本物の」マニュアルフォーカス機構となっている。ただしこの MFC 機構、無限遠がオーバーインフするので厳密には「本物の MF」とは言いがたいがゾーンフォーカスでは無いので使い勝手は向上している。
最後に、デジカメWatchの開発者インタビューが今回は内容がもの凄く濃かったのでリンクを張っておく。また、個人的に気になった部分を要点としてまとめておいた。
インタビュー:「OLYMPUS OM-D E-M1」の進化に迫る - デジカメ Watch
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/20131101_620844.html
- Q. ファインディテール II 処理と色収差補正処理は RAW に適用されてる?
A. 適用されていない。OLYMPUS Viewer3 を使えば適用される。
※想像補足:たぶんパラメーターとして埋め込んである。
- Q. これらの処理は RAW 現像時にどうなる?
A. OLYMPUS Viewer3 を使えば適用される。サードパーティ製は対応次第。
- Q. ファインディテール II 処理は全 M.ZD、ZD レンズに対応?
A. オリンパス製のレンズは全て対応。
※想像補足:パナや他のレンズは対応してないかも。
- Q. ファインディテール II 処理が利用するレンズの特性値は新しいレンズ出てきたらその都度ボディのファームうp?
A. レンズ内に値が入ってる。けど既存のレンズには入ってないのでボディ側に持たせた。
※想像補足:つまり今後出る新型レンズに関してはボディのファームうpは不要ということに。また、オリンパス以外のレンズがそうしてくるかは不明だろう。
- Q. 防塵防滴性能は E-5 と比べてどう?
A. E-5 より上。試験時の水の量も E-5 より増やした。
- Q. ローパスの有無は?
A. 無い。ローパスレスです。
- Q. 回折ぼけはどの程度改善?
A. 1絞り分程度改善される。完全に無くなるわけじゃ無いので勘違いしないで欲しい。
- Q. 撮像素子は何処製?
A. ひ・み・つ☆
- Q. 耐寒性能マイナス10度ってボディと M.ZD ED 12-40mm F2.8 PRO だけ?
A. 実は M.ZD 含めて ZD 最初のレンズから全て耐寒性能マイナス10度です。
- Q. 手振れ補正が E-M5 比で良くなったと聞いたけど?
A. アルゴリズムをチューニングしました。ハードウェア的には同じ。
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