iPhone/iPad には先行して用意されていた Adobe Lightroom mobile だが、先日やっと Android 向けが公開された。
早速 Nexus7 (2012) に入れてみようと思ったが、Google Play のアプリカテゴリを何度検索しても出てこない。
Adobe のプレスリリースから Play にリンクが張られているので、Nexus7 からそのプレスリリースのハイパーリンクを長押しして Google Play で表示してみると、なんと「この端末は対応していません」って、おいどういうことだよ・・・。
試しに URBANO L01 と TORQUE G01 にインストールしてみたら無事インストールできた。
そこで ES ファイルエクスプローラの「アプリバックアップ」で Lr mobile をバックアップし、apk を Nexus7 にコピーしてインストールしたところ無事インストールが完了。
起動して動きを見てみたが特に問題も無いようなので、単に Google Play のインストール可否フラグだけの話のようだ。orz
早速使ってみたが、結論から先に言うと
パンピーが使う分には画像管理アプリ程度にしかならないのでは?
というのが感想。
皆が想像している
出先で root 取った Nexus7 に 2.5inch HDD とカードリーダー繋げてそこに RAW 吸い上げて Lr mobile で現像うはうは!
は
出来ない。
どうやら Lr mobile は母艦 Lr の補完的役割を担うだけであってメインとして使うようなアプリではないようだ。
いろいろ調べていると、母艦 Lr のカタログに写真ファイルが取り込まれており、更にそのカタログの中の「コレクション」というグループの中に対象の写真 (RAWファイル) がグルーピングされている必要があるとのことで、外出先で撮影した写真をモバイル端末で吸い上げて RAW 編集する、という使い方ではなかった。
この時点でかなりしょんぼり。(笑)
ちなみに「コレクション」とは Lr 独自のグルーピング用仮想ディレクトリのようなものだ。
写真はディレクトリ単位でカタログに放り込んでいるのが現状だが、そこから更にグルーピング用の仮想ディレクトリで写真を管理できるようになっている。
この仮想ディレクトリに放り込まれた写真は物理的?なディレクトリに縛られないようになっているので、他のディレクトリに入っている写真も同じ「コレクション」内に含めることが出来る。
この使い方で何が出来るのかと思うが、誤解を恐れずに書くならば
簡単な現像パラメーターの設定とレーティング及び書き出し
くらいだ。
ちなみに
タグも着けられない。
.oO(タグ付けできたら暇な時間にタグ付けできるのにぶつぶつ・・・)
正直なところ、母艦 Lr に取り込んだらそのまま母艦 PC で最初から最後までやってしまうのが一般的な使い方だと思うので Lr mobile の出番なし。
無理矢理用途を考えると、
- レーティングの終わってない写真を出先の暇な時間にレーティングする
- 現像もまだ終えていない写真を外出先で人に見せたり書き出して SNS にアップロードする
くらいか?
一応 Lr mobile 側でもコレクションは作成することは出来るし作成したコレクションは母艦 Lr に同期される。
しかし Lr mobile で元の RAW ファイルを読み込むことが出来ない ので、読み込むことが出来る JPEG、PNG ファイルを取り込むことになる。
(Lr mobile が処理している RAW ファイルは、実は母艦 Lr が元の RAW ファイルから作成した縮小・圧縮された DNG ファイルで「スマートプレビューファイル」と呼ばれる)
ここで
それだったらせめてレーティングだけでも出来るんじゃね?
と思ったら大間違いである。
Lr mobile と母艦 Lr で双方共に新規でコレクションを作成してその中に写真を入れると、それぞれが違う写真として扱われるのでレーティング情報などは別管理となってしまう。
そのため、元の写真に対してレーティングを行いたい場合は必ず母艦 Lr でコレクションに入れてから Lr mobile と同期してレーティングなり編集する必要がある。
どちらの使い方にも納得は出来るが、少なくとも有効に使える人はかなり限られた人になるのではなかろうか?というのが個人的な感想。
というのも、そもそも「外出先でもモバイル端末で写真のレーティングをしたいか?」というところが大きい。一般的には
家に帰って PC に取り込み
↓
Lr のカタログに入れる
↓
レーティング (選定)
↓
パラメータ調整
↓
書き出し
という一連のワークフローで行われ、モバイル端末が入り込む余地は無い。
写真を商売としている人達で大量に写真を扱いレーティングしている時間もないというのであれば、空いた時間を有効に活用することは出来そうだ。
そういう人達だとこういうワークフローになるのではないか。
現場で撮影
↓
事務所に戻る
↓
PC に取り込み
↓
Lr のカタログとコレクションに入れる
↓
はじめに戻る
このフローの中ではレーティングが出てこないが、出先の空いた時間でレーティングが出来るとなると時間の節約にはなる。
しかし、少なくとも自分はそこまで時間に追われているわけではない。
また、同期状態では母艦 Lr に有る写真を Lr mobile で見せられるので、出先でクライアントに「こんなんでました」と見せることも出来るが、一般的にはレーティング・パラメータ調整の終わった画像ファイルを早々に書き出してモバイル端末の中に画像を入れておいたり他のクラウドにアップロードしているので、Lr mobile の出る幕はそんなに無いような気がする。
Lr mobile に求めていたのは
モバイル端末に RAW ファイルがあれば (母艦の Lr に RAW ファイルが無くても) RAW ファイルが現像でき、パラメーターはクラウドで同期して母艦の Lr とパラメーターが同期できる
というものを考えていたが、基本的には母艦の Lr のコレクションに登録されていないと触ることさえ不可能という時点で大幅に使い勝手が下がっているような気がする。
泊まり込みの撮影旅行などで母艦となるノート PC を小脇に抱え、宿でノート PC に吸い上げてクラウドと同期、Lr mobile でレーティングや簡易現像を行い SNS にアップロードする、という方法もあるが、個人的にはノート PC を持ち歩きたくないのであまり現実的ではなかった (root 取った Nexus7 にカードリーダー刺して画像を読み込もうと考えていた)。
ただ、Lr の基本的な機能は使える上に、ローカルに保存してある JPEG ファイルの再現像を行うことは出来るので、撮影した写真を出先で SNS にアップロードしたいがパラメータ調整は多少やりたいといった時には使いようが有ると思う。
その場合は完全にローカル現像となるので家に帰ったらもう一度やり直しなのはしかたがない。
それを見越したワークフローとしては、OLYMPUS の WiFi を積んだカメラの場合だと以下のようになる。
撮影終了
↓
カメラでアップロードしたいファイルに「共有」マークを付ける
↓
OI.Share で接続
↓
共有マークの付いたファイルが自動的に全てモバイル端末にコピーされる
↓
Lr mobileで新規に「コレクション」を作成し、コピーされた写真をそのコレクションの中に入れる
↓
パラメーター調整をして書き出し
となりそうだ。
なお、ここで作成されたコレクションは母艦の Lr にも同期されるが、先ほども述べた通り元の RAW ファイルに対してそのパラメーターを同期させることは出来ない。
ちなみに「書き出し」だが、選択した写真の右上に「箱に入った↑矢印」が有る。それをタップすると「ギャラリーに保存する」があるのでそれをタップすると Pictures 直下の Lr 用ディレクトリに保存される。
モバイル端末側で作成したコレクションについては母艦の Lr に反映されるが、同期されるファイルは JPEG のみ。
ただしファイルは元のファイルが同期される。
残念ながら RAW ファイルをモバイル端末にコピーしても同期されない。
モバイル端末側でコレクションそのものを削除しても母艦の Lr に同期されたコレクション及びファイル郡は削除されないが、以下のように同期フラグが外れる。
削除前
削除後
ここで母艦の Lr 側で同期フラグを立てると今度はモバイル端末側に同期され、せっかく削除したコレクションが復活してしまうので注意。
この仕様のため、モバイル端末側で削除したコレクションが母艦 Lr 側でも不要な場合は手動で削除する必要がある。
逆に母艦 Lr でモバイル端末のコレクションを削除すると、モバイル端末側のコレクションまで削除されるという動きに違いがあるので注意。
また、コレクション内のファイルについては、どちらでも削除するとどちらにも反映されるという微妙に仕様が違うので注意。
母艦 PC 側の画像の扱いは 1モバイル端末に付き 1ディレクトリとなっており、一意のモバイル端末内に複数のコレクションがある場合はカタログファイルの中でそのコレクションが管理されている。
コレクションは別に見えるが・・・
実体は 1つ。
コレクションの削除は実ファイルが削除されないので、実ファイルも削除したい場合は「フォルダー」タブのモバイル端末名ディレクトリグループがあるので、そこのディレクトリを右クリックして「エクスプローラで表示」をクリックし、該当ディレクトリ内の不要な画像ファイルを手動で削除すること。
エクスプローラはここから。
1ディレクトリが 1モバイル端末となっている。
ディレクトリの中は単一のグループとなっていて
カタログでコレクション分けされている。
└ G兄
└ G兄
└ G兄
└ G兄
└ G兄
└ G兄
└ G兄
└ G兄
└ 山銀
└ G兄